パーソナライズで関係強化!高度なレコメンドメッセージで実現する顧客体験価値の向上方法とは

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イベントレポート

EVENT REPORT

2023年6月27日、宣伝会議主催のオンラインカンファレンス「SIMC(シンク)」内で行われたMicoworks登壇セッションをレポートします。消費者の興味、関心が多様化する今、一人ひとりに最適化した体験設計が重要です。その中でもパーソナライズしたレコメンド配信は、顧客との関係構築に効果的な手法です。

 

Micoworksはコマースメディアで世界をリードするCriteoとLINE公式アカウント上で活用する高度なレコメンデーション機能を共同開発。ゲストのCRITEO株式会社吉原様と共にブランドと顧客のコミュニケーションを最適化する最新手法を解説します。

高度なレコメンドメッセージで実現する顧客体験価値の向上方法

Micoworks株式会社 中井拓海 (以下、Micoworks中井):

みなさま、こんにちは。Micoworks株式会社の中井と申します。

現在、大手B2Cのクライアント様を中心に、累計200社以上のLINE公式アカウント運用や、マーケティングコンサルに携わっています。

本日はゲストのCRITEO株式会社吉原さまとともに、「パーソナライズで関係強化!高度なレコメンドメッセージで実現する顧客体験価値の向上方法」をテーマにお話させていただきたいと思います。

まず最初に皆様に考えていただきたいのが、「お客様とのコミュニケーションにおいて一人ひとりに応じた提案やレコメンドができていますか?」ということです。

消費者の興味、関心が多様化する中で、一人ひとりに最適化したコミュニケーションが非常に重要になっています。「いかに消費者一人ひとりに対応したレコメンドができるか」という点がブランドとの関係構築やエンゲージメント向上に欠かせないポイントです。

一方でお客様にパーソナライズ化したメッセージを届けるためには技術的課題やリソース的に難しいのも事実です。そのため実際の現場ではすべての消費者に一律にメッセージを配信しているケースも多いのではないでしょうか。

今回、そうした課題を解決し、一人ひとりにパーソナライズしたコミュニケーションを実現するため、MicoworksとCriteoが共同開発を行った新たなソリューション「レコメンデーションメッセージ for LINE公式アカウント」のベータ版を提供開始いたしました。

本日は「LINE公式アカウント上での1to1コミュニケーション」と、Criteoの持つAIエンジンによる「パーソナライゼーション」という二つのキーワードから「レコメンデーションメッセージ for LINE公式アカウント」を活用した事例の取り組みのご紹介をさせていただきたいと思っています。

顧客との関係構築を実現する、LINE上での1to1コミュニケーション

Micoworks中井

まず商品を購買する際の情報収集や、可処分時間の使い方といった消費者の行動変化をお伝えしたいと思います。

消費者が日常的に行っている情報収集はパソコンからスマートフォン中心となり、商品購入は店舗からEC、コンテンツ視聴もTV中心からYouTubeやNetflixへと変化しています。

実際に2022年に行われた調査によると、ユーザーとの接触時間は、スマートフォンがテレビを上回り、特にスマートフォンの利用目的の中ではSNSの割合が非常に高く、7割の方が週3以上SNSを利用しています。そして、SNS内でのシェア率をみるとLINEが最も多い状況です。

こうしたデータから、消費者が最も多くの時間を使っているのはSNS、その中でも最も普及率の高いLINEは顧客接点を構築し、関係を強化したい企業にとって欠かせないチャネルだといえます。

それでは、ビジネスにおける有効性の観点ではどうでしょうか?消費者が企業から情報を受け取っているチャネルの調査結果によると、69%の人がLINEから受け取っていると答えています。

次いで実際受け取った後に購入をしたことがある割合は53%であり、他のSNSやメルマガ・アプリと比較しても「購入まで経験がある」と答えた購入経験率が非常に高い結果となりました。

このことから、LINE公式アカウントは、「消費者とのコミュニケーションチャネル」としてはもちろん、「購入につながりやすい」という観点からも有効であるといえます。

企業が消費者に対してオンラインでの商品購入を促進したい場合、いかにLINE公式アカウントを通じた1to1コミュニケーションを最適化し、自然な流れで購買へと促すかが鍵であるといえるでしょう。

顧客体験向上につながるパーソナライゼーション

CRITEO株式会社吉原様(以下、Criteo吉原様):
パーソナライゼーションとは、”何かを個々人向けに最適化すること”です。パーソナライゼーションをすることでマーケティングキャンペーンの効果も飛躍的に向上します。Criteoはパーソナライゼーションにこだわり、ユーザーの購買活動を最適化しています。

ここで「Criteoが購買活動をどう最適化しているのか?」の一例を紹介したいと思います。

CriteoではAIを使って、ユーザーが今までに閲覧した商品や購入した商品以外の、関連性が高い商品のレコメンドも可能です。つまり、新たな発見を提供し、豊かな購買体験を生み出すことができるのです。

実際に、売れ筋商品や直近に閲覧した商品にとどまらない商品レコメンドで、売上が+22%向上した事例もあります。

さらに、Criteo AIエンジンがレコメンドした商品のうち、ユーザーが一度も見ていない商品からの売上が全体の50%も占めているんです。総合ECにいたっては、78%を占めてます。

つまり、Criteo AIエンジンを通して、未発見の商品との出会いを多く創り出しているといえます。また、ユーザーがサイトで一度も見てなかった商品からのコンバージョン率は実際のサイトで見ていた商品のコンバージョン率よりも高いといった結果も出ています。

先ほど、Criteoはレコメンドエンジンを通してパーソナライゼーションを実現しているとお話しましたが、高精度なレコメンドを支えているのは、実はCriteoが保有している膨大な購買データであり、これこそがCriteoの最大の資産と思っております。

パーソナライズを実現する新たな手法「レコメンデーションメッセージ for LINE公式アカウント」

Criteo吉原様:

2023年5月31日にプレスリリースで発表いたしましたが、この度Micoworksと協業し「レコメンデーション メッセージfor LINE公式アカウント」という新しいソリューションのベータ版を提供開始いたしました。

このソリューションを通じて、LINE公式アカウントにおける企業・ブランドの販促コミュニケーションをよりパーソナライズすることで、コンバージョンや売上を改善してまいります。

本ソリューションのコンセプトは、「欲しいオススメ(レコメンド)をLINEで届ける」です。企業・ブランドの販促コミュニケーションをより高度なパーソナライズ化することで、ユーザーとのエンゲージメントを強化したいと考えています。

ソリューション開発に至った背景は大きく2つあります。

1つ目の理由は、LINE公式アカウント関連ビジネスは急成長しているからです。現在、多くの企業がユーザーとのコミュニケーションでLINE公式アカウントを使っています。成長領域で、Criteoでも新たなビジネスをしたいというのが参入理由の一つです。

約9,500万MAU(※)を誇るLINEの環境でビジネスができる意義は非常に大きいと考えています。(※2023年6月時点)

そして、2つ目はCriteoが長らく広告ビジネスで培ってきたAI技術や膨大な購買データを活用していきたいという理由です。

ユーザーがブランドやメーカーの公式アカウントの友だちである時点で基本的なエンゲージメントはできている状態で、ユーザーに更なる高度なパーソナライズされた商品レコメンデーションをすることで、エンゲージメント(繋がりの強さ/深さ)やリテンション(関係維持)を向上できると考えてます。

Criteoディスプレイ広告は、ニュースサイトやポータルサイトなど多くのパブリッシャーに配信されますが、本ソリューションでは配信先がLINE公式アカウントが対象となります。

また、LINE公式アカウントを保有する企業のレコメンデーションのみが、配信されます。また、使用するAIエンジンもCriteoディスプレイ広告は3つのエンジン(予測入札エンジン、レコメンドエンジン、クリエイティブエンジン)を使っていますが、本ソリューションではレコメンドエンジンのみを使用しています。

一方で、最大のCriteo資産であるコマースデータ、つまり膨大な購買データは、Criteoディスプレイ広告のものをシームレスに活用していますので、例えば、Criteoディスプレイ広告で培った購買データを「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント」に活用するということも可能です。

Micoworks中井:

ただいま、吉原さまよりご紹介いただいたソリューションの特長について、LINE公式アカウントを活用したマーケティングソリューションを提供するMicoworksからも補足させていただきます。

まずは、Criteoの高度なAIエンジンと膨大な購買データを活用することで、LINE公式アカウントで繋がっている温度感の高いお客様に対する購買促進が期待できます。

サービス検討の温度感の高いセグメント(過去クリック者)を対象にレコメンドをお送りすることによって検討層にあたるユーザーを購買や予約といったコンバージョンポイントまでしっかりと促す手法として非常に大きな効果が見込めます。

また、レコメンド精度の高さに関して、通常のLINE公式アカウントでは、LINE内のデータ、もしくはWebサイトでの行動ログまでは追うことができますが、今回のCriteoレコメンド配信の場合、広告主のWebサイト以外の集積された購買データ(行動ログ含め)を活用し、レコメンドが可能です。また、Criteo広告でのCVデータを活用することでCV可能性の高いレコメンドを実現します。

導入ハードルの低さに関しても、従来LINE公式アカウントではレコメンド配信のために連携開発が必要ですが、今回のCriteoと連携したレコメンデーションメッセージにおいては追加開発が不要となります。

さらに、顧客データベースにデータのない会員登録前のユーザーを対象にレコメンド配信をすることも可能ですので、LINE公式アカウント運用の観点からみても大きなメリットのあるソリューションといえるかと思います。

高度なレコメンドメッセージによるCX向上事例

Micoworks中井:

今回は大手人材会社さまにおける実証実験の結果をご紹介します。

まずは、LINEを活用した顧客コミュニケーションの全体感からご説明いたします。こちらの企業では会員登録やお仕事エントリーの増加を目的にLINE公式アカウントの運用をされています。

今回の実証実験では、”仮会員登録への引き上げ”と”本会員のお仕事エントリー促進”の2つを目的に「レコメンデーションメッセージ for LINE公式アカウント」によるレコメンド配信を実施いたしました。

従来、サイトバナーから流入してきたLINE公式アカウント登録者に対しては、全てのユーザーに同じクリエイティブでお仕事エントリーの配信を実施していました。

しかし、Webサイトから流入してくるLINE登録者のインサイトとしては、今現在お仕事探しを行なっている方が多く、自分の希望条件に合った、具体的な仕事の内容が知りたい欲求が強いと考えられます。

そのため、「レコメンデーションメッセージ for LINE公式アカウント」を活用し、登録者一人ひとりの希望条件に近しいお仕事のレコメンド配信をLINE公式アカウント上で実施しました。

その結果、未登録者における仮登録数が目標の8.8倍と大きく伸長。会員登録者における配信数あたりのお仕事エントリー率は、一斉配信と比較して649%改善されました。

このように実証実験の段階で、非常に大きな成果が出ています。

CriteoをLINEと連携することで、商材が多い事業形態でも細かなパーソナライズ配信がLINEで可能になります。Criteo広告を出稿している場合、LINE公式アカウント上に自動で投稿が生成されるため、活用ハードルが低く、パーソナライズ配信にかける投稿の手間も大きく削減することができます。

幅広い業界において効果が期待できますが、特に多商材を扱う領域において非常に大きな成果や顧客体験の向上に寄与できるソリューションだと考えています。

たとえばECサイトの商品レコメンドや先ほど紹介した人材業界における求人案内のほか、不動産の物件紹介、旅行会社でおすすめの宿泊先やツアーの案内などさまざまな用途で活用していただけます。

まとめ

今回のセッションでは、消費者の情報収集や購買行動の変化についてお話しいたしました。現在は商品を探す情報収集はSNSが中心となっており、中でも消費者と直接つながり、購入を促すにはLINEによる1to1コミュニケーションが有効であるとお伝えしました。

そして、顧客体験に欠かせないパーソナライゼーションの重要性について、Criteoの吉原様よりお話いただき、Criteoが保有する膨大な購買データとAIエンジンにより精度の高いレコメンデーションを実現しました。


最後に顧客にパーソナライズしたレコメンデーションを行うことで、顧客体験の向上、そしてエンゲージメント・購入率の向上が期待できることを事例とともに紹介しました。本日のセッションが、ブランドと顧客の関係構築や、顧客体験を向上させるためのヒントとなれば幸いです。

登壇者プロフィール

中井 拓海

Micoworks株式会社 カスタマーエグゼクティブ統括本部 Senior Manager 

2020年、Micoworks株式会社に入社。LINEを活用したコミュニケーションプラットフォーム「MicoCloud」のカスタマーサクセス立ち上げに携わる。大手クライアントを中心に累計200社以上のLINE公式アカウント運用支援やマーケティングコンサル業に従事。2023年3月よりカスタマーエグゼクティブ統括本部Senior Managerを務める。

吉原 元樹氏
CRITEO株式会社 Business Owner, Strategic Client Partnership 戦略的クライアントパートナーシップ部門 ビジネスオーナー

CRITEO株式会社の戦略的クライアントパートナーシップ部門ビジネスオーナーとして、クラアイントの経営課題に向き合い新たな事業/ソリューション開発、戦略的パートナーシップ構築、など幅広い業務に従事。Marin SoftwareやGunosyなどで営業部門のマネージメントを経験し、2018年にCriteoに入社後サプライチームでアプリサプライビジネスの日本責任者を経て2021年より現職。

この記事の著者

大里 紀雄Norio Osato

Micoworks株式会社

ビジネスマーケティング部 Director

大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。

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