人材

エンゲージメント向上

2023年10月5日

LINE経由の会員登録率が53%に向上  “生涯キャリア”実現のため、求職者と中長期的な関係づくりを目指すiDAのデータ連携施策

株式会社iDA

販売職を中心に、ファッション・ビューティー企業に特化した人材サービスと、店舗運営ソリューションを提供する株式会社iDA様。充実した教育制度と全国展開が特長の同社は、人材ビジネス向けクラウドサービス「PORTERS」と連携し、求職者のステータスに応じたコミュニケーションを実施するために、LINEマーケティング プラットフォーム「MicoCloud(ミコクラウド)」の導入を決定しました。

ファッション・ビューティー業界で働く人たちの「生涯キャリア」の実現がミッションと語る同社の代表取締役・堀井様に、MicoCloudを活用したLINEマーケティング施策について伺いました。

株式会社iDA
https://ida-mode.com/
代表取締役 堀井 謙一郎様

「ファッション・ビューティー業界」と「販売職」の生涯キャリアを支える、iDAの事業展開

ーはじめに、御社の事業内容とミッションを教えてください。

堀井様:iDA株式会社は、1999年創業のファッション・ビューティー業界に特化した総合人材ビジネス企業です。当初は、ファッション業界向けのコンサルティング事業を主に手がけていましたが、クライアント企業や現場で働く人たちと関わる中で雇用と人材の重要性を感じ、人材紹介や派遣、業務委託を行うようになり、現在に至ります。

派遣業では全国で約7000名が在籍しており、全国に22拠点があります。近年では、短期単発マッチングサービス「iDAバイト」や新卒向け求人サイト「MyBrands 新卒」、ブランド経営経験者や、海外で生産管理をしていたプロフェッショナルを“顧問”として企業に紹介する事業を手がけるなど支援領域は多様化していますが、いずれもファッション・ビューティー業界に軸足を置いています。

 

また、「販売職を生涯キャリアに」という思いから、ファッション・ビューティー業界に夢を持ち続けてもらえる『WORKING DREAM®』をミッションに掲げ、事業を展開しています。販売職は優れた専門性を有しているため、コールセンターやECサイトのチャット対応など、あらゆる顧客接点で販売職が活躍できる機会創出にも取り組んでいます。

また、現場で役立つ実践的なトレーニングや親身なフォローを提供していることもiDAの特徴です。「iDAカレッジ」では会員登録者であれば全て無料の講座を実施していたり、専門的な研修を提供するグループ会社もあります。

総合人材ビジネスにおける差別化を徹底してきましたが、“生涯”という時間軸で、求職者と長期的なエンゲージメントを築きながら、キャリア支援を行うことを大切にしています。

 

コロナ禍をきっかけに、求職者データを管理・活用するプロジェクトを開始

MicoCloudを導入する以前、マーケティング施策の課題はありましたか?

堀井様:これまで人材サービスとして累計35万人以上の登録に恵まれ、常に新規流入があったため、求職者の掘り起こしなどデータを活用したマーケティングができていませんでした。しかし、ファッション・ビューティー業界は、コロナ禍の影響で一時期厳しい状態に陥りました。

それを機に自分たちのビジネスのあり方を見直し、求職者の情報をデータベース上で管理・統合するプロジェクトをスタートすることにしました。そこでまず、人材派遣・紹介に特化したシステム「PORTERS」の導入を決定します。

そして、各フェーズにおける求職者とのコミュニケーションツールがばらばらだったため、iDAの顧客層に合わせてLINEに統一することにしました。LINEを起点に基幹システムと情報を連携し、求職者とのエンゲージメントを継続的に高められる仕組みを構築したいと考えたのです。

 

ー数あるLINEサービスの中からMicoCloudを導入した理由は何でしょうか?

堀井様:MicoCloudはPORTERSと連携できるLINEマーケティングツールを探している中で存在を知りました。MicoCloud以外にも複数のLINEマーケティングツールを比較・検討したのですが、「我々と一緒に悩み、考えながら伴走してくださる営業やコンサル担当者かどうか?」といった視点から最終的にMicoCloudに決めました。

MicoCloudの担当者が信頼できたのは、ちゃんと我々の事を考えてくれた上で、ご自身の意見を的確に伝えてくださる方だったからです。私は会社の代表のため、将来のビジョンや中長期の方向性などの抽象的なことを語ることがあるのですが「できないことはできません」と言ってくださいます。そのうえで「現時点でこれは実現できるから、まずここを目指しませんか?達成したら、次の段階でxxまで到達しましょう!」と着実にプロジェクトを導いてくださいます。

また、新たな施策を始めるにあたっては弊社のビジネスへの理解も重要です。クライアントに対して、社外の立場からプロジェクトを調整するのは難しい部分もあるでしょうが、円滑に進めてくださっています。私たちの言ったことをただ実行するのではなく、我々がまだ思いつかないようなアイデアまで提案してくださいます。ただのカスタマーサクセス担当者ではなく、パートナーとして先々のことまで相談できる関係性が築けている実感があります。

 

LINEマーケティング施策で母集団形成を強固に!LINE経由の月間登録率は最高53%

MicoCloud を利用して、現在具体的にどのような施策を行なっていますか?

堀井様:第1の取り組みとして、iDAの会員登録ページを訪れたものの、離脱してしまったユーザーに対してLINE登録を案内。その後、LINEで情報提供しながら、お仕事に対する意欲が高まったタイミングで会員登録を促す仕組みづくりを行いました。その結果、実施して9ヶ月で4000人を超える友だち追加の成果がありました。

第2に、コンテンツマーケティングの一環として運営するWebマガジン「iDAマガジン」からもLINE登録を案内。直接的なお仕事紹介ではなく、ファッション業界に関わる情報を届けて、ゆるやかなエンゲージを保つ関係づくりもあわせて進めました。

iDAのページを訪問するユーザーは、新しい仕事に興味があるのは確実ですが、人材サービスへの登録は、登録の際に求められる情報も多く、ユーザーにとって心理的ハードルが高いものだと思います。潜在的なユーザーを取り逃さず、気軽に登録できるLINEに導くことで、まずはマーケティングの核となる母集団形成を目指したのです。

 

第1、第2の施策によって、LINEに新規登録するユーザーが今も安定的に増え続けています。母集団に対し、ファッション業界のお役立ち情報と共に、週1〜2回程度求人情報を配信した結果、LINE友だちのうち会員登録率は平均40%、2023年3月には53%と非常に高い数値を出しています。これは今回のLINE施策を始めなければ得られなかった数字のため、新たに創出できた“財産”です。

 

第3の取り組みとして、会員ステータスによって、配信内容やリッチメニューのコンテンツをカスタマイズしています。たとえば、未登録者は「興味あり」のセグメント設定にして、ファッション関連の情報を提供し、既登録者には「求職中」のセグメントを設定して具体的なお仕事を紹介しています。

また、iDAの人材紹介で就業中の方は「アルムナイ(同窓生)」に設定。LINEの友だち登録をご希望された方には、就業先で活躍するための情報や研修のお知らせをお送りしています。第3の施策もあわせて、求職者と中・長期的なエンゲージメントを保つことが可能になり、生涯の中で転職タイミングが発生した場合に、ユーザーにiDAを想起していただける仕組みが整いました。

 

PORTERSとMicoCloudによるプラットフォームで、販売職の生涯キャリアを支える


今後の事業の展望、そしてMicoCloudを活用して実現したい施策はございますか?

堀井様:おかげさまで先日、iDAではPORTERSの運用を開始し、求職者の情報をデータベース上で管理・統合する仕組みがスタートしたところです。今後は、PORTERSとMicoCloudデータベースの結合を行い、母集団形成から求職者の掘り起こしをさらに強化します。求職者とのコミュニケーションも、従来のメールやSMSから、LINEがメインに変わっていくでしょう。

LINEで一貫して求職者の方々とつながることができるようになるため、LINEでのユーザーの反応をみながら、最適なコミュニケーションに向けてPDCAを回せるようになります。iDAは全国22拠点あるので、1つのアカウントで複数の振り分けができるMicoCloudを活用して、拠点ごとでコミュニケーションができることも期待しています。

 

近年、iDAは新卒向けの求人や、短期単発アルバイトなど、多様な事業を手がけておりますので、ゆくゆくはPORTERSにiDAのあらゆる事業で関わるユーザーの情報も統合していきたいと思っています。その統合したデータをMicoCloudと連動させることによって、求職者一人ひとりのニーズに合わせて、リッチメニューやコンテンツの出し分けをできるようになります。

たとえばリッチメニュー内では、求職者との面談設定や日程調整、派遣として就業中の方への福利厚生についての情報のアナウンスなどを実施。ご要望があれば、就労コーディネーターとの1on1チャットもLINEで行えるようにしたいです。

また配信内容も、ユーザーのステータスに合わせた情報をお届けできると思っています。今は別職種に就いているけれどもファッション業界に興味がある方、子育てなどで一度業界を離れたけれども復帰への意思を持っている方に対して、年齢を問わず活躍できる求人情報や、復帰の足がかりとなるモニターアルバイトの案内など、きめ細かくキャリアをサポートする展望を持っています。

 

ーiDAのLINEに登録することが、ユーザーにとってメリットしかない仕組みが構築されていて驚きました。

堀井様:ありがとうございます。私たちは、一人ひとりのキャリアやライフステージに寄り添い、ファッション・コスメ業界に携わる方の社会的地位向上に貢献すること、そして販売職を生涯キャリアにするための情報提供やマッチングを行っていきたいという思いがあります。

たとえばある販売職の方が20〜30代で培った能力を、40〜60代でも活かせるようにしたいとなると、永続的なプラットフォームが必要です。基幹システムPORTERSと連動したMicoCloudによって実現できるプラットフォームを、ファッション・コスメ業界に携わる方や販売職の方にとって、いつでも安心して頼っていただける場所にしていきたいと思います。

 

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BOXIL SaaSセクションLINEマーケティング部門1位

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