EC

LTV向上

2024年4月2日

繁忙期の売上が30%以上向上。事業間の施策のばらつきから脱却した、顧客起点のコミュニケーション戦略とは?

株式会社やまやコミュニケーションズ

導入事例インタビュー_やまやコミュニケーションズ様

1974年に創業した「株式会社やまやコミュニケーションズ(以下:やまや)」様は、誰もが使っている身近なアプリであるLINEを活用し、顧客コミュニケーションや情報の一元管理の課題を解決し、より価値のある顧客体験を提供するために「MicoCloud(ミコクラウド」の導入に至りました。

LINEを顧客体験の入り口としてマーケティングを実施し、繁忙期の売上を30%以上向上させたやまや様―― 今回はLINEを活用したデジタルマーケティング施策についてBtoC本部D2C事業部から部長 丸山様とEC課 上之原様にお話を伺いました。

株式会社やまやコミュニケーションズ
URL:https://www.yamaya.com/

BtoC本部・D2C事業部
部長 丸山 真司 様
リーダー:上之原 玲奈 様

課題:

・自社アプリとECサイトの会員情報が点在していた
・顧客とのコミュニケーション接点がない
・カゴ落ちの発生による売上の機会損失が発生していた

効果:

・友だち登録者数が10倍に向上
・売上が前年比115%に向上
・LINE経由のCPAを50%に抑えることに成功

施策/戦略:

・顧客情報の一元管理
・ECサイトの商品ページを閲覧したユーザーにLINEで後追い配信
・パーソナライズされたコンテンツ配信

デジタル化を促進し、紙媒体からECサイトでの販売を強化。

–まずは、会社概要、事業概要、お二人が担当しているポジションについて教えていただけますか?

上之原様:私たちは辛子明太子の製造と販売を行っています。他社との違いとしては、仕入れから製造販売までを社内で一貫して行っている点です。また、辛子明太子以外にも、もつ鍋の鍋セットやうまだし、外食事業の他、私たちが所有する「やまや蒸留所」のお酒の販売も行っています。

 

やまやの明太子

丸山様:弊社は「九州から世界へ、やまやスタンダードを。」というビジョンを掲げています。私たちは「Made in KYUSHU(メイドイン九州)」をコンセプトに九州の食文化が、日本全国、そして世界中に広がってほしいと考えています。このような背景もあり、辛子明太子だけではなく、飲食店事業、農業事業も展開しています。

実際に九州から世界へ繋げる新たな一步として、2024年2月に『果樹蔵フルーツ工房 白金』と言う「和」と「九州のおいしいフルーツ」をテーマにしたカフェをオープンしました。この店舗では、弊社が運営する農産事業ブランド「果樹蔵」の季節のフルーツを使用したメニューを提供しています。

果樹蔵フルーツ工房 白金

–「やまや」といえば辛子明太子のイメージが強かったのですが、九州の食文化全体にアプローチする事業を展開されているのですね。お二人の業務内容についても教えてください。

丸山様: 私はBtoC本部・D2C事業部の部長を務めており、通販と呼ばれる -紙媒体からコールセンター、ECまでを含むBtoC関連事業を統括しています。私たちの事業部は、商品を販売するだけでなく、マーケティングから商品開発までを一貫して手掛けている部門です。

上之原様:私もD2C事業部に属しており、自社のECサイトを含む、楽天、Amazon、ショッピングLINEギフトなど、5つのネットショップを担当しています。ECは約24年前からスタートしており、売上は、紙媒体・コールセンター経由での売上とほぼ同額の状態が続いていました。これまでは紙媒体をメインに商品販売していたのですが、デジタル化が進んだこともあり、ECサイトでの販売を強化していく戦略へシフトしていったんです。

事業が多角化する中、顧客のつながりが見えないことが課題に。最適なコミュニケーションの再構築を目指す。

–貴社の事業領域である飲食事業の現状と課題について教えてください。

丸山様:弊社の明太子事業は量販店やレストランへの卸など業務用のBtoBと私たちが運営する飲食店や直営店、ECなどBtoCの領域が合わさった事業で、売上の半分以上をBtoBが占めています。同じ商品を扱っていますが、私たちはBtoBの先にいらっしゃるお客様とは会話できません。そのためBtoC側でコミュニケーションを取り、商品の良さを伝えるかが重要です。この両方のバランスを取りながら事業を伸ばすという難しさがありますね。

BtoC事業単体で見ても飲食だけで年間300万人もの来店があり、他にも直営店やECがある。しかし、来店いただいたお客さまへアプローチができない、「EC」と「来店」いただいたお客様が同じ人かもわからない。せっかく接点があるのにお客様が誰か把握できず、事業全体でのコミュニケーションが連動していないことが課題となっていました。

実は以前は外食事業や通販、ECなどは子会社化されており、それぞれ独立してマーケティングやブランディングをしていた背景があります。やまや全体ではタッチポイントがたくさんあるのに、外食に来てくれたお客様がECを使ってくれているのかということもわからない状況だったんです。

上之原様:EC単体では売上拡大に限界があると感じていました。だから「ECとお客様」のつながりだけでなく、「やまやとお客様」のようにコミュニケーションを変えれば売上につながるのではという仮説がありました。

–そのような課題がある中、どのようなマーケティング戦略を立てているのでしょうか?

丸山様:マーケティングの観点では、お客様一人ひとりと「双方向」なコミュニケーションを取る仕組みづくりにシフトしています。その軸となるのが「やまや会員」です。

はじめに取り組んだのは、「やまや公式アプリ」のリリースです。アプリに登録してくれたお客様は「やまや会員」となります。そうすることで、個人単位で飲食店や直営店をどれくらい活用いただけているかを把握し、適切なコミュニケーションを取れるようにしていく構想です。

–その戦略の中でなぜLINEを検討されたのでしょうか?

丸山様:アプリの活用をするなかで課題になったのが、「アプリダウンロード」と「アクティブ化」です。普段から使うものではないため、アクティブに使用されなかったり、アプリを削除されることがあります。外食ではポイントがついたり、来店スタンプがつくため活用されやすいのですが、外食利用のお客様をECサイトに誘導するための導線設計やアクティブ化については難航していました。

そこで取り組んだのが、LINEです。年間約300万人近くのお客様とのタッチポイントがある中で、「ランチでやまやの飲食店にいったよ。」「やまやの辛子明太子って美味しいよね」と思ってくださるくらいのライトユーザーとのつながりを模索している中で、アプリだけでそれを実現するのは難しいなと思いLINEの活用を始めました。

LINEでライトなつながりを増やし、各サービスに送客。ECでは「カゴ落ち」対策を行い、売上拡大を狙う。

–MicoCloud導入にはどのような戦略を考えていたのでしょうか?

丸山様:会社的には外食と直営店とECをつなぐ「やまや会員」を増やす戦略を取っています。その中でLINEの役割は、アプリまではいらないという多数のライトユーザーをフォローすること。やまやの顧客体験の入り口としてライトにユーザーとつながり、ナーチャリングによって外食、直営店、ECなどと接点をつくる。そしてゆくゆくは、やまや会員への登録を増やしていく想定です。この役割はLINEでしかできないと考えています。

また、LINEに対するもう一つの期待は、ECでの売上拡大です。アンケートで得た情報からお客様の興味にあった商品をご案内したり、キャンペーン情報などをお送りする運用をしています。

–ありがとうございます。具体的にはどのような施策を試みたのでしょうか?

上之原様:導入時点の施策では、配信対象を増やすためにLINE公式アカウントの友だち登録者数を増やす施策にフォーカスしました。外食や直営店では店頭案内、WebサイトではLINE公式アカウントへの登録を促す導線を設定しています。

現在のフェーズでは、LINE公式アカウントに登録していただいたお客様をECサイトに誘導し、商品の購入率を向上させる取り組みをしています。

このプロセスにおいては、トリガー配信機能を使用したいわゆる「カゴ落ち配信」をテストしています。「カゴ落ち」とは、ECサイトで購入カゴに商品を入れたが何らかの理由により購入されない状態のことを指し、「カゴ落ち配信」とは、カゴ落ち状態のユーザーに対して「買い忘れていませんか?」などとリマインドをする配信です。

LINE経由でECに来ていただいた場合、気軽にECに訪問いただける一方で、離脱しやすいということも課題になります。そこでLINEからリマインドをしてあげることで購入率を上げられるのではないかと考えています。

また、今テストしているのは、ある明太子の商品ページを閲覧し、カゴに入れたお客様を対象に、カゴに入れた商品と同じ商品を送るのか、それとも類似した商品をリマインドするのか、どちらが効果的なのかを検証しています。

繁忙期にはLINE経由の売上が前年の136%に向上。配信効率の最適化によりCPAも半分以下に。

–MicoCloud導入後の成果について教えてください。

丸山様:LINE施策の成果として、友だち登録数が導入前と比較して10倍に増えました。MicoCloudからECへの導線を設置しているのですが、LINE経由のEC売上が前年比で115%に向上した月もありました。特にお中元やお歳暮特暮の期間は、前年比で売上が136%に増加していたんです。繁忙期にこのような結果がでたのは、本当にありがたく思います。

また「CPA(Cost per Acquisition/以下:CPA)」は、他媒体と比較して約半分以下になりました。想像以上に費用対効果が高く、確実に売上が伸びていますね。

上之原様:このような成果に繋がったのは、担当者の田中様が並走してくれたからだと思います。お客様の購入が、大きく発生する繁忙期のタイミングでトリガー配信のご提案をいただきました。

また田中様からは、ユーザーの属性を明確にし、ターゲットごとにどのようなコンテンツを配信すべきか精査し、どのようなコンテンツを増やし、逆に何を減らすのかもアドバイスをしていただきましたね。

–数字としても大きな成果が出ていますね!ミコクラウドを導入したことで、最も良かった点や新しい気付きは何かありましたか?

上之原様:お客様の状態に応じて、パーソナライズされたマーケティングを実施する基盤を構築できたことが何よりも嬉しいですね。お客様の属性や状態を把握できるようになったため、今までメルマガでしてきたように一方的に情報を送りつけるのではなく、届けたい層に必要な情報を届けられるようになりました。

丸山様:組織面でも変化がありました。今までは各店舗やECが個別にLINEアカウントを活用しており、お互いが協力しあって集客するということはありませんでした。それが今は一つのアカウントに統合し、一緒になって友だち登録を促す。店舗でお土産を買ってもらった人に次はECで購入いただけるように、店舗のスタッフと一丸となってBtoCを盛り上げていく。それがやまやコミュニティの拡大につながるんだという一体感が生まれたのは、社内的に大きな変化でした。

『チームやまや』としてゴールに向けて併走できる仲間。

–今後の展望を教えてください。

丸山様:「やまや会員」を軸に、すべてのタッチポイントのコミュニケーションを最適化したいと思っています。来店情報や購買情報、LINE上での行動など、あらゆるデータをつないで、顧客体験を最適化する仕組みを構想しています。

今は、その基盤が構築できたフェーズです。引き続き、LINEでライトなユーザーとのつながりをつくりつつ、やまや会員へとステップアップするお客様を増やしていきたいと思います。

上之原様:私は弊社のサービスを利用していただいているお客様のことを今よりもっと深く理解したいですね。そのためにLINEを使って、さまざまな顧客情報を蓄積できればと思います。

また、アプリへの導線としても活用を考えています。アプリには、やまやの事業概要、飲食部門、農業事業など様々な情報が掲載されています。ECの利用だけでなく、店舗や外食事業への誘導も含めた総合的なタッチポイントとして展開していきたいです。

–ありがとうございます。最後にやまや様にとってMicoCloudは、どのような存在ですか?

上之原様:『LINEマーケティングの伴走者であり、顧客理解に役立つ顕微鏡』のような存在です。MicoCloudは顧客情報を収集・分析し、パーソナライズした配信を実現するために重要なツールだと思います。

一方でLINEマーケティングを成功に導くという点においては、事業の目的や課題に対してどのような施策をするべきなのか、担当者様が的確に提案をしてくれるかが重要でした。プロジェクトを一緒に併走してくれる担当者様は、LINEマーケティングを実施する上で頼もしい存在だと思っています。

丸山様:私はMicoworksさんを「チームやまや」の一員だと思っています。外部のパートナー様とお仕事をする際は「チームやまや」というコンセプトを大切にしているんですが、一緒に併走できるパートナーとしてこれからもお客様により価値のある顧客体験を実現していきたいですね。

ーありがとうございました。

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