リストマーケティングとは?正しい進め方と成功のポイントを解説

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リストマーケティング

集客マーケティング

MARKETING

顧客へのアプローチを効率良く行いたい方にオススメしたいのがリストマーケティングです。

 

会社の財産である顧客リストを活用したリストマーケティングは、確度の高い見込み客を見つけやすいマーケティング方法です。BtoB、BtoCのどちらでも使えるため、業種を問わずにあらゆる企業で活用できます。

 

今回はリストマーケティングのメリット・デメリットから正しい進め方、成功のポイントを解説します。

リストマーケティングとは

リストマーケティングとは、自社が所有する顧客リストに対して直接アプローチをかけるマーケティング方法です。顧客リストに含まれる情報はターゲットによって異なり、一般消費者向け(BtoC)ビジネスでは氏名・年齢・電話番号・住所といった個人情報、企業向けビジネス(BtoC)では企業名・担当者名・業種・上場の有無・売上高などの情報が含まれます。

リストマーケティングで活用される顧客リストには、一度は何らかの形で自社と接点を持った方の情報が掲載されています。ある程度自社を知っている相手にアプローチできますので、全く接点がなかった相手への接触よりも高い確度のコンバージョンが期待できます。

また、リストに掲載される情報によって属性を絞り込みやすくなり、顧客の関心を引くアプローチを実現しやすいのも特徴です。

リストマーケティングのメリット

アプローチ先をリストに掲載された見込み客に限定できるリストマーケティングには、次のようなメリットがあります。

低コストで始められる

リストマーケティングで使われる顧客リストは、過去に自社の営業活動の中で接触した顧客の情報で構成されています。マーケティングのために一から集客しなおす必要がないため、広告費や営業活動のための人件費といったコストはほとんどかかりません。

リスト内の見込み客へのアプローチは、多くの場合ダイレクトメールで行われます。テレアポや対面営業のように一人ひとりに時間をかける必要がありませんので、短い時間で多くの見込み客にアプローチできます。初期に数千~数万円程度のメール配信ツールを導入する必要はありますが、長い目で見ればコスト削減の効果は大きいといえるでしょう。

同時に複数の見込み客に接触できる

リストに掲載された複数の見込み客へ同時に接触できるのも、リストマーケティングの大きなメリットです。先述のメール配信システムを活用すれば、数万件の見込み客にも簡単に接触できるでしょう。さらに顧客を属性や検討段階に応じてグループ分けすることで、今顧客に届けたい内容のダイレクトメールを送信できます。

一人ひとりの見込み客に合わせたアプローチを個別に考える必要がありませんので、対応の時間短縮と省力化を同時に行えます。

集客から販売までのプロセスを自動化しやすい

リストマーケティングの大きなメリットのひとつが、プロセスの自動化がしやすい点です。MA(マーケティングオートメーション)を利用すれば、見込み客の属性に合わせたステップメールの送信だけでなく、メールに対する反応に応じてアプローチを変えるといった対応を行えます。

見込み客のアクションから、どの程度興味を持って検討しているのかを自動で判断してくれます。最後に直接営業担当が一押しするところまで自動で導いていくれるのはリストマーケティングならではの大きなメリットといえます。

分析からPDCAサイクルを回せる

リストマーケティングはメールを使ってアプローチを行うため、アクセス履歴などから顧客側の反応をデータ化できます。効果的なメールだけでなく反応が悪いメールの洗い出しも可能ですので、施策の実行から検証、検討から再実行というPDCAサイクルを効率良く回せます。

反応を見やすく修正もしやすいデジタルの利点を生かせるのがリストマーケティングのメリットです。

リストマーケティングのデメリット

デジタルならではのメリットが多いリストマーケティングですが、一方でいくつかのデメリットも抱えています。

リストのメンテナンスに人的コストがかかる

リストマーケティングに使う顧客リストは、会社が営業活動の中で作り上げてきたものです。会社によっては何十年も前の顧客情報がそのまま掲載されている場合もあり、アプローチできる対象がリストに掲載されている件数の数十分の一というケースも珍しくありません。

効果的なリストマーケティングを行うには、最新データへの更新や不要な連絡先の削除など、リストをメンテナンスする必要があります。さらには一度更新した後も、継続して管理し続けなければなりません。

金銭面での支出はあまりない施策ですが、継続して行うリストのメンテナンスにかかる人的コストは、決して小さくないことは意識しておく必要があるでしょう。

継続的な運用が必要

リストマーケティングは長期的に継続した運用が求められるマーケティング施策です。大きな成果を期待できる施策のひとつではありますが、根気よく長期的にPDCAを回してこその成果ですので、一朝一夕に成果がでると期待しないほうがよいでしょう。

見込み客との関係構築のために週1回メルマガを配信するなど、アプローチのためにかかる手間暇は決して小さくありません。長期間取り組み続けられる十分な人的リソースの確保が望まれます。

見込み客との関係悪化を招くおそれがある

リストに掲載されている見込み客は一度は接触があった相手ですが、全ての相手との関係が良好であるとは限りません。何らかの不手際で失注した相手など、悪印象を持っている相手である場合もありますので、送付する内容は適切なものを選ぶ必要があります。

また、特に悪印象を持っていない関係であったとしても、何度も送られてくる興味がないメールに対して嫌悪感を抱かれるケースも珍しくありません。興味を持てない理由や適切な送信頻度を検討し、双方にとって心地のいいコミュニケーションになるように努めましょう。

リスト流出が大問題になりやすい

リストマーケティングに使われるリストには顧客の重要な情報が含まれている場合が多々あります。特に個人客のリストは個人情報の塊ですので、取り扱いには細心の注意が必要です。

万が一外部に流出してしまうと、会社の信用を損ねるだけでなく、個人から損害賠償を求められるおそれもあります。流出の理由は外部からのサイバー攻撃だけでなく、リストを取り扱う担当者の誤操作や置き忘れなど、うっかりミスも挙げられます。会社として外部からの攻撃に備えるだけでなく、個人のミスで流出させないような社内ルールを定めるとよいでしょう。

リストマーケティングの流れ

リストマーケティングは主に以下のような流れで行われます。

  1. リストを集める
  2. リストの見込み客を育成する
  3. リストを分類しアプローチする
  4. PDCAを回す

それぞれどのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。

1.リストを集める

リストマーケティングは、顧客情報を集めたリストを作り上げるところから始まります。顧客情報の収集には、主に以下のような手段が用いられています。

・メルマガ登録

・アンケートの回答

・ホワイトペーパーの配布

・サンプルの配布

・無料体験への参加

・名刺交換

・問い合わせ

業態によって使用できる収集方法は異なります。また、取得できる情報の濃淡にも違いがありますので、自社が求めている情報を収集できる複数の方法を組み合わせるとよいでしょう。

社内に事業部が複数ある会社なら、各事業部が持つ情報を集約して活用できるよう、MAツールなどを活用して一元管理するのもオススメです。

2.リストの見込み客を育成する

次のステップはリストに掲載された見込み客の育成(ナーチャリング)です。マーケティングにおける育成とは、自社の商品やサービスに関する知識を提供し、購入を検討する段階まで引き上げることをいいます。

大半の見込み客は、いきなり商品を売り込まれても購買にはつながりません。まずはメールやLP、Web記事などを通じて商品やサービスの情報を知ってもらい、自分にとってどのような価値があるものなのか知ってもらいましょう。

育成に使われる代表的な方法には「メルマガ」「ステップメール」「LINE公式アカウント」があります。いずれも定期的な情報発信により顧客側に知識をつけさせる狙いがあり、導入までのコストが比較的安価であるという共通点があります。

BtoC向きのメルマガ、BtoC向きのLINE公式アカウント、高額商品向きのステップメールといった特徴がありますが、複数の方法を組み合わせた育成も効果が期待できます。配信内容から商品に興味を持った顧客を誘導するWebページやホワイトペーパーを用意しておくことで、より確度の高いアプローチとなるでしょう。

3.リストを分類しアプローチする

リストを継続的に育成するうちに、反応に差が生まれてきます。メール内のリンクのクリックや問い合わせなどの反応を示してくれる顧客とそうでない顧客にリストを分け、反応があるリストに対しより具体的な購買につながるようにアプローチしましょう。

導入事例やケーススタディの紹介によりイメージを具体的にし、ニーズに合った商品を絞り込んでオススメしていくといったアプローチが有効です。またメールやLINEを使ったネットコミュニケーションよりも電話や対面営業が有効となる場合もあります。クロージングはオンラインコミュニケーションにこだわらず、商品や顧客の特性に応じたやり取りを心がけましょう。

4.PDCAを回す

いくつかの層に分類されたリストに対し、それぞれの反省点を踏まえたPCDAを回します。購買につながったリストへは手厚いアフターフォローを行い、継続した売上につなげましょう。購買につながらなかったリストへは異なる商品やサービスの再育成や、価格帯を変えてアプローチするといったアクションが狙い目です。

反応が少なかったリストへは、関心を持ってもらえなかった理由の仮説を立て、改善策を盛り込んだアプローチを再開しましょう。

さらに年齢・性別・職業、業態や会社規模などさまざまな要素で絞り込むことで、より解像度が高いPDCAを回せます。

リストマーケティングは、メールへの反応や顧客の属性によっていくらでもアプローチ方法を変えることができます。一度リストを使ったアプローチで終わりにするのではなく、何度もPDCAを回すことが、リストマーケティングの成功の秘訣であるといえます。

リストマーケティングを成功させるには

リストマーケティングの成功は手順だけでなく、成功させるための注意点を押さえるのも重要です。効率良くアプローチするためのポイントについて解説します。

良質な見込み客を集める

リストマーケティングは、リストに載っている相手なら誰でも成果が見込めるわけではありません。商品やサービスのターゲットとなる相手を厳選したリストであるからこそ、さまざまなアプローチが購買につながります。まずはリスト集めの段階から、確度の高い見込み客の獲得を意識しましょう。

確度の高い見込み客を集めるには、接触の時点でフィルターをかけておくとよいでしょう。LPやWebサイトに「○○のような方向け」と明記しておくことで、条件を満たさない人は登録せずに去っていくでしょう。またはっきりと明記しなくても、サイトのデザインや起用するモデルに特徴を持たせることで、誰をターゲットにした商品なのかを伝えやすくなります。

リストは最新状態にメンテナンスを続ける

リストマーケティングで使用する顧客リストは、最新の情報が掲載されるように定期的なメンテナンスを行いましょう。長年の取引履歴から作った顧客リストなどでは、担当者や事業部名の変更だけでなく、会社住所や電話番号が変更になり連絡がつかない場合があります。

配信したメールが受信されなかった場合など、連絡がつかない相手はリストから削除し、見込みがある顧客だけがリストに残るようにしましょう。

メルマガ配信ツール・MAツールで自動化する

リストマーケティングは低コストで行える優れた手法ですが、全ての対応を手動で行うのは困難です。先述のリストのメンテナンスだけを見ても、受信エラーがでたアドレスを一件ずつ削除するような対応は、手間がかかるだけで大変非効率です。

メール配信ツールやMAツールの多くには、顧客を条件ごとにグループ分けするセグメント化や、メールを受信した顧客の反応をタグ付けする機能などが備わっています。特定のセグメントに対して送るメールの内容や送信タイミングなどを設定しておけば、見込み客のナーチャリングも自動で行ってくれます。

システムに自動的なアプローチを任せられれば、担当者の工数を減らすだけでなく、検証のためのデータが簡単に取得できます。長期的な取り組みが必要なリストマーケティングにおいて、システムの導入による自動化は必須の取り組みといえるでしょう。

まとめ

所得した顧客情報を使ったリストマーケティングは、見込み客へのアプローチをしやすい優れた手法です。会社が長年蓄積した資産である顧客リストを有効に活用できるだけでなく、顧客の属性やタイミングに合わせたアプローチを選択できることから、効果的に確率を確度を高められる手法として注目を集めています。

低コストで始められる点も人気のリストマーケティングですが、リスト内容の更新や個人情報の管理など、手間がかかる面も無視できません。担当者の工数を減らしながら有効なアプローチを行うためにも、メール配信ツールやMAツールを導入し、システムによる自動化を図るとよいでしょう。

この記事の著者

大里 紀雄Norio Osato

Micoworks株式会社

ビジネスマーケティング部 Director

大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。

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