EC

LTV向上

2024年1月9日

通常配信と比べて収益性4倍。アダストリアが取り組んだCriteoレコメンド配信による顧客体験向上戦略

株式会社アダストリア

株式会社アダストリア(adastria)導入事例インタビュー

予測不可能な現代において、消費者の購買行動や価値観が大きく変化し、ブランドはお客様に寄り添ったコミュニケーションと、お客様視点での提案や情報提供がより一層求められています。生活インフラの一つとなったLINEを最大限に活用できれば、もっとお客様の身近な存在になり、豊かな生活をサポートできる。そうした思いでCriteoレコメンド配信を活用されているアダストリア様に導入前後におけるマーケティング戦略と成果についてお話を伺いました。

株式会社アダストリア WEB事業部
上田様

課題:

・従来のコミュニケーション方法だけでは、提案型の配信を実現できなかった
・提案型の配信と同時に収益性も確保することが課題であった

効果:

・ユーザー行動に合わせた、パーソナライズされた配信が可能になった
・通常のメッセージ配信の3~4倍の収益性を実現した

施策/戦略:

・Criteoレコメンド配信を活用し、顧客の反応や会員情報に合わせた配信を実施
・会員情報と連携し、より細かな条件でセグメントを分け配信

消費者の価値観が変わり多様化している今、選ばれるにはパーソナライゼーションの強化が必須

――はじめに、上田様のミッションについてお聞かせください。

上田航大 様(以下、上田様):私はWEB事業部で、主にアダストリア公式WEBストア.st(ドットエスティ)のデータ活用、CRM、パーソナライゼーションの責任者をしています。ミッションは、会員データを活用して購入回数と売上を増やすことです。

※ドットエスティ
株式会社アダストリアが運用する取り扱いブランド50以上のファッションブランドが揃うECサイトで、会員数は約1,650万人(取材当時)。

株式会社アダストリア上田航大様

――ファッション業界の現状について伺えますか。

上田様:ファッション業界の市場規模が拡大していないことからもわかるように、現代はモノの消費からコトの消費へと消費者の価値観や購買行動が変化しています。

単価が安いからと言って売れるわけではなく、その服を買う意味を提示できなければお客様に選んでいただくことができません。そのため、密にコミュニケーションを取りながらお客様のニーズを汲み取り、提案を最適化させていくことが今まで以上に重要になっているのです。

このような背景からパーソナライゼーションの強化が重要になってきています。

――業界の現状を踏まえてアダストリア様が理想とする姿はどのようなものでしょうか。

ECといえば通常「エレクトリック・コマース」を意味しますが、私たちが目指しているのは「エンターテイメント・コミュニティ」です。「マルチブランド・マルチカテゴリー」をキーに、お客様の生活が豊かになる提案を心がけています。

リアル店舗のみを利用するお客様と、リアル店舗とECサイトを掛け合わせて利用されるお客様とを比較すると、後者の方がエンゲージメントとLTVが非常に高い傾向にあります。また、1ブランドのみを購入するお客様と複数ブランドを購入するお客様においても、後者の方がエンゲージメントとLTVが高い。つまり、マルチブランド・マルチカテゴリーで展開することは、アダストリア全体の売上増加につながり、ブランド側の視点でみても購入回数が増えるという相乗効果を狙うことができるのです。

――マルチブランド・マルチカテゴリーを展開する上でどのような戦略を取られているのでしょうか。

上田様:ECサイト開設から10年弱が経過し、会員数の増加とともにブランド、商品数、カテゴリは非常に膨大な数となりました。これまでもメルマガやアプリを通じて定期的にセールやクーポンなどの情報を提供していましたが、一方通行のメッセージではより細かなお客様の反応を把握することができません。

そこで、本当にお客様一人ひとりの興味・関心に応じた情報提供ができているのだろうかと疑問を持つようになりました。購入回数を増やし、売上を向上させるためには、個々のお客様のニーズを把握し、お客様の興味関心に応じた提案型の配信が必要だと感じたのです。

アプリのIDとLINEを連携し、さらなるエンゲージメントの強化を図る

――LINE公式アカウントの活用に至った背景を教えてください

上田様:LINEは9,600万人※のアクティブユーザーが日常的に使用し、もっともユーザーの目に触れやすいコミュニケーションツールで、メッセージ配信してからお客様の反応速度も早いことがポイントです。

また、実際にLINE公式アカウント運用を始めてみると、LINEとアプリIDを連携済みの会員登録者はアプリ利用者並みにエンゲージメントが高いことがわかりました。

――貴社のマーケティング戦略において、LINE公式アカウントはどのように位置付けしていますか?

上田様:お客様とのコミュニケーションチャネルのひとつとして位置付けしています。

現在、メール・アプリ・LINE公式アカウントの3つを展開していますが、あえてそれぞれ棲み分けはしていません。お客様がもっとも受け取りやすく、そして心地よいコミュニケーションができるような体験を設計しているためです。

――具体的にどのような戦略で活用されているのでしょうか。

上田様:冒頭でお伝えしたとおり、オフライン店舗とEC、両方をご利用いただいているお客様のほうがエンゲージメントが高く、LTVが高い傾向にあるため、いかに友だち数を増やし、ID連携できるかが売上を上げるために重要です。

そのためご来店いただいたお客様に対して、リアル店舗のスタッフからアプリやLINE登録を促すお声がけをしてもらっています。

最初はアプリ登録のお声がけをしていますが、お断りされた場合には10秒で登録できるLINE登録はいかがですかと誘導しています。結果的にはブランドにもよりますが、50:50の割合でどちらかの手段で登録されています。

会員獲得の入口は9割がお店経由で、アプリとLINE公式アカウントどちらも1カウントとして設計していますので、どちらを利用しても同じお客様としてデータが取得できるようになっています。

――LINE公式アカウントを運用するうえでどのような課題にぶつかったのでしょうか。

上田様:メルマガ/アプリでできていた「ID未連携」→「ID連携」→「顧客のロイヤル化」のフローにおいて、顧客のロイヤル化がLINE公式アカウントではできていませんでした。

これまでLINE公式アカウントでは、「セグメント配信」と「ユーザーアクション起点の配信」をしていました。

配信方法の比較

「セグメント配信」では性別や年齢など、大まかな顧客属性で配信対象を絞り込みコンテンツを配信していましたが、個人単位でパーソナライズができないため、反応がかなり良いとはいえませんでした。

一方で、IDを連携しているMAツールを活用した「ユーザーアクション起点のメッセージ配信(以下、ユーザーアクション起点のメッセージ配信)」では、お客様がECサイトを訪問したタイミング、商品をお気に入りにいれたタイミング、クーポンが付与されたタイミング、ポイントが失効するタイミングなどで配信できるためしっかり収益につながっているものの、ユーザーアクションが起点となるため配信数が伸ばせないという課題もありました。

この2つは手法も成果も方向性が異なりますので、顧客のロイヤル化を促すためにはその間をフォローする中間施策、つまり温度感が高いお客様にパーソナライズされた「提案型の配信」が不可欠だと考えました。

通常のLINE公式アカウントではリッチメッセージ配信、カゴ落ち防止、お気に入り登録などのアクショントリガーの配信はできますが、パーソナライズした提案はできません。そこでより高度なパーソナライズができる手段を探していた際にご提案いただいたのがCriteoレコメンド配信※でした。

※「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント powered by Criteo」(以下、Criteoレコメンド配信)とは、CRITEO社が保有する膨大な購買データとAI技術を掛け合わせてユーザーの興味関心を分析し、パーソナライズされたレコメンデーションメッセージを配信してエンゲージメントを強化するソリューションです。LINE公式アカウントでのコミュニケーションを豊かにしながら、効率的にコンバージョンへとつなげることができます。

Criteo配信の収益性は通常配信の3〜4倍!想定以上の大きな成果が得られた

――Criteoレコメンド配信をどのように活用されていらっしゃいますか?

上田様:Criteoレコメンド配信は、CRITEO社が持つ高度なAIと膨大なコマースデータをもとに、お客様一人ひとりへ高度にパーソナライズした最適なレコメンデーションメッセージを配信できるのが最大の特徴です。

例えば、LINE経由でクーポンやセール情報を閲覧したお客様の行動データと顧客のID連携を組み合わせて、タイムセールやポイント還元キャンペーンの開始など、施策ごと、トレンドごとに合わせたレコメンド配信を行っています。

WEBデータを活用したリターゲティング配信

――Criteoレコメンド配信を利用して、どのような成果が出ていますか?

上田様:Criteoレコメンド配信の売上は、通常のセグメント配信と比較すると3〜4倍の収益性が出ました。当初は2倍程度になれば合格点と考えていましたので、嬉しい誤算でした。

さらに驚いたのが、ユーザーアクション起点のメッセージ配信より、Criteoレコメンド配信の方がさらに収益性が高かったことです。

導入当初は通常配信したお客様へのリマインド配信がメインでしたが、現在はユーザーアクション起点のメッセージ配信でメッセージを見てくださったお客様にもリーチができるようになっています。さらに会員データを掛け合わせ、「Criteoによるレコメンド対象ユーザー×クーポン保有者のみ」に配信するなど、想定よりはるかに高精度なパーソナライズが実現できるようになったことも、成果につながっていると思います。

お客様が本当に欲しいものを提案するために、より高度なレコメンデーションを実現したい

――今後の展望として、Criteo配信を活用して実現したいことを教えてください。

上田様:この先実現したいのは、「より良い顧客体験」を提供することです。

私たちが大事にしているのは、お客様の声やお客様のアクションの結果。私たちが売りたいものをレコメンドするような売り手都合の配信では、お客様が離れてしまいます。お客様が心から「良い」と思っていただけるものを意識して、お客様にあったブランドや商品がおすすめできるよう、お客様目線での顧客体験を設計し、LINE公式アカウント上で配信していきたいと考えています。

どんなタイミングでどんなレコメンドをもらえるとベストなのか。そこにどのような反応があったか。こういったお客様の反応をデータで分析しながら、お客様目線で優れた顧客体験を実現していきたいと考えています。

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