なぜ、今「Cコマース」が注目されているのか?

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Cコマース

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「Cコマース」とは、カンバセーショナルコマース(Conversational Commerce/会話型コマース)の略称で、消費者がメッセージングアプリ上で人またはチャットボットとリアルタイムで会話をしながら、商品やサービス購入の意思決定を行う購買プロセスのことを指します。
ECのみに限らず、人材業界における求人紹介や不動産仲介時のやりとり、病院における健康診断など、幅広い領域でのビジネス活用が進んでいます。今回はグローバルビジネスの潮流として注目されるCコマースの概念をお伝えします。

「Cコマース」とは?

「Cコマース」とは、カンバセーショナルコマース(Conversational Commerce/会話型コマース)の略称で、消費者がメッセージングアプリ上で人またはチャットボットとリアルタイムで会話をしながら、商品やサービス購入の意思決定を行う購買プロセスのことを指します。ECのみに限らず、人材業界における求人紹介や不動産仲介時のやりとり、病院における健康診断など、幅広い領域でのビジネス活用が進んでいます。

Cコマースの種類

現在における一般的なCコマースは、次のように大きく2つのタイプに分かれます。

  1. LINEやWhatsApp、Facebook Messengerをはじめとするメッセージングアプリや、InstagramやTikTokなどのSNSを通じてブランドと消費者がコミュニケーションを取り、商品やサービスの問い合わせ、購買、予約、決済を完了するタイプ。
  2. WebサイトやECストアに直接埋め込まれたプラグインにより、商品を閲覧している消費者が、リアルタイムでチャットをしながら質問に回答するタイプ。

Cコマースは、店舗で直接、スタッフとやりとりをしている時のように、消費者がオンラインショッピングやサイト訪問をしている際に、リアルタイムで今、知りたい情報やアドバイスを提供し、購買体験を向上できるのがメリットです。

Cコマースはハイブリットかつ新たな概念

Cコマースは、Eコマースやライブコマース、ソーシャルコマースと組み合わせることでビジネスに展開することで高い効果が期待できます。

・ライブコマース×Cコマース:

ライブ配信に参加した消費者が、配信者が紹介する商品を見てそのまま購入できます。

・ソーシャルコマース×Cコマース:

SNS内で商品の購入が完結します。
ユーザーは投稿やプロフィールを閲覧して、買い物アシスタントによるチャットでの提案、アドバイスを受けながら商品購買までワンストップで行うことができます。

・CtoC×Cコマース:

CtoCとは、ECサイトなどプラットフォーム内で消費者同士が取引を行う形態のこと。フリマアプリが代表例です。出品者と購買希望者がチャットでやりとりを行い、商品の状態などを確認しながら取引を進めることができます。

・Group Buy×Cコマース

Group Buyは共同購入とも呼ばれ、一定期間である製品を注文する人を募り、人数が多ければ多いほど価格が下がる販売キャンペーンのこと。Cコマースを組み合わせることで、消費者同士がチャットで会話しながら注文希望者を集めたり、コミュニケーションを行うことができます。(現状は海外で主に用いられている購買方法です。)

いずれも、Cコマースはユーザーへ信頼感を与え、取引を円滑に進める一助となります。

Cコマースが注目されている理由

消費者の購買活動の変化

「イメージに近いスタイリングをしてくれる美容院/美容師をInstagramで探して予約しよう」

「欲しい靴の色とサイズが残っているか、お店のLINE公式アカウントで直接聞いてみよう」

このように、普段からSNSで商品・サービスを探して、購入している方も多いのではないでしょうか?

2000年代、消費者はパソコンの検索欄からキーワードを入力し、上位に表示された結果や画像を頼りにWebサイトへ訪れ、モノやサービスを購入していました。それから時を経て2010年代に入るとスマートフォンが一気に普及したことで、アプリで簡単に購買できるようになり、各ブランドが自社独自のアプリを開発、リリースします。

アプリでの買い物は、個人情報を一度登録すると、2回目以降の買い物がスムーズになったり、お気に入りや自分のサイズを簡単に記録できるので検索が容易だったり、非常に利便性の高いものでしたが、案内をしてもなかなかダウンロードをしてもらえない、アプリをダウンロードしても、その後起動されなくなることが多いという課題も持ち合わせていました。時間とコストをかけてiOSとAndroid向けにネイティブアプリを開発しても、利用されなければ意味がありません。

そんな中、LINEやInstagramなどのコミュニケーションアプリはユーザーの生活インフラの一部として浸透しました。とくに日本ではLINEが老若男女問わず多くの人が利用する必要不可欠なコミュニケーションツールになっています。

このような背景によって、2020年以降は、LINEなどのコミュニケーションアプリ上で購買・決済機能を持たせるブランドが増加しました。消費者が日常的に利用するチャネルからコミュニケーションを取り、購買行動を促す方向に進んでいます。消費者側も、身近なSNSから商品・サービスの詳細や質問など、オフラインの店舗と同じ感覚でスタッフのサポートを求めることができるため、ポジティブな印象を受けますし、オンラインでオフラインと同じような体験ができるため、顧客満足度も向上し、購入率を高めることができるのです。

Cookieの規制

近年、プライバシー保護の観点で世界的にサードパーティーCookieの規制強化が進んでいます。日本国内では、2020年6月に個人情報保護法が改正され、2022年4月より施行されています。

GDPRと2022年の個人情報保護法の改正は、デジタルマーケティングの領域において大きなターニングポイントになっていると言っても過言ではありません。

EUをはじめとした一般データ保護規則(GDPR)の施行

GDPRとは、「General Data Protection Reglation」の略称で、EUが定める個人情報保護を規定する法であり、2016年5月24日に発効し、2018年5月25日から施行されました。GDPRでは、欧州経済領域(EEA)で取得したユーザーの氏名・メールアドレス・クレジットカード情報・生年月日といった個人情報に関するデータをEEA域外に移転することを原則禁止しており、違反すると高額の制裁金が課される行政罰が規定されています。

改正個人情報保護法

EUをはじめとしたGDPRの施行の流れを受け、国内においても2020年に個人情報保護法の改正が行われました。デジタル技術の発展やグローバル化、社会情勢の変化に伴い、個人情報に対する意識が年々高まっていることが背景です。マーケターがもっとも注意すべきは「Cookieを収集し、保存された情報を第三者へ提供する際は、本人の同意が必須」となったことでしょう。自社のWebサイト(個人関連情報取扱事業者に該当)で取得したCookieのデータを第三者へ提供し、Cookieのデータと他の個人情報を紐づける、または個人データとして活用する場合が該当します。

こうしたデータは「サードパーティー クッキー(3rd Party Cokie)」と呼ばれ、今までは配信した広告の効果測定やアフィリエイト、アトリビューション分析などに活用されてきました。しかし、ユーザーの同意もないまま個人データを取得し、行動を追跡することは、個人を特定しやすいため、保護すべきだという考えが広がっています。

サードパーティー Cookieの廃止により、今まで実施していた精度の高いリターゲティング広告の利用が難しくなる、ユーザーの属性や興味・関心をベースにしたマーケティング施策が打ちにくくなる、効果測定ツールでの計測が困難になるといったマーケティング施策への影響が予測されます。

これらの事実が示すのは、Webマーケティングにとって大きな変革が求められているということです。いかに顧客とつながり、同意のうえでデータを取得・活用していくべきか。消費者のプライバシーを守りながら、顧客一人ひとりのニーズに応じたコミュニケーションを実施していくためにも、ポストクッキー時代のマーケティングにおいてCコマースは有効な手法であるといえるでしょう。

消費者はつながりを求めている

ネットショッピングの利便性が高まるにつれて、消費者はよりパーソナライズされた体験をブランドに期待するようになっています。毎日のように利用する、もっとも身近なコミュニケーションツールで顧客と接点を持ち、会話を促すことは、信頼関係を育み、顧客への理解を深めます。ブランドと消費者のチャットコミュニケーションは消費者の購買行動として浸透が進んでおり、今後もさらなる変化を遂げる兆しがあります。

この記事の著者

大里 紀雄Norio Osato

Micoworks株式会社

ビジネスマーケティング部 Director

大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。

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