顧客ニーズを正しく把握し、成約率向上につなげるには?

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顧客ニーズ

集客マーケティング

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温度感やニーズがわからないなかで施策を策定すると、つい一方通行の施策が出来上がりがちという点に課題感をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、顧客とのコミュニケーションを最適化し、売上最大化やマーケティング効率の向上をするために必要な、顧客ニーズの種類や意味合い、顧客ニーズを知る方法、注意点などをまとめて紹介します。

 

顧客のニーズを正確に把握し、資料請求や体験予約からの成約率をアップさせる施策を打ち出していきましょう。

顧客ニーズとは

顧客ニーズとは、顧客の理想と現実のギャップを解消したいという欲求のことを指します。

マーケティング上は商品・サービスの成約に結びつけるため、商品・サービス自体をニーズと勘違いしてしまいそうになることもあるかもしれません。

しかし、その商品・サービスの利用を通じて「悩みが解消できる」「理想の状態になる(近づく)」ことが、顧客ニーズを満たす行動です。

顧客ニーズを把握する重要性

ビジネスにおいて、顧客ニーズに合わせたコミュニケーションを取ることが重要です。

顧客が本当に求めているものを提案できない状態が続けば、コミュニケーションを取る必要がないと捉えられ、顧客側から接点を切られてしまう(SNSのフォロー解除、LINE公式アカウントのブロックなど)可能性もあるため、注意が必要です。

例を挙げると、「気分を上げてくれる文房具が欲しい」場合は、文房具ではなく、「気分を上げる」ことがニーズです。仮に気分を上げることがニーズの場合、「文房具だから仕事の効率アップに役立つという訴求がいいだろう」と考えて施策を打っても、顧客ニーズとは異なるため、購入には至りません。

むしろ、顧客側から「欲しい情報とまったく違う内容が送られてくる」と思われ、離れられてしまう危険もあります。

この顧客ニーズの場合は「気分が上がるデザインや色使いで、毎日が楽しくなった」というイメージ事例を訴求する方が顧客ニーズを満たせるため、購入に至る可能性があると考えられます。

顧客ニーズを正確に把握できれば、「この人は文房具が欲しいのではなく、気分が上がるようなものが欲しいのだ」とわかり、それに沿った訴求が考えられます。

顧客ニーズの種類

次に、顧客ニーズの種類について紹介します。

心理的ニーズ・身体的ニーズ

まずは、心理的なニーズと身体的なニーズの違いについて紹介します。

例えば、同じカフェでコーヒーを飲むという行動をしたとしても、各ニーズでカフェを選ぶ理由は異なります。

心理的ニーズ

ニーズ:「落ち込むことがあったから、家に帰る前にどこかで休憩したい」

選んだ理由:ゆったりしたソファで自分の空間が確保できるカフェだったから。(コーヒーが飲めればいいので、食事のメニューや美味しさは重視していない)

身体的ニーズ

ニーズ:「昼食を取りそびれてしまったので、すぐに何か食べたい」

選んだ理由:回転率が良さそうで、かつ美味しそうなメニューがあるカフェだったから。(早く・できるだけ美味しく食べられればいいので、ソファ席でなくても問題ない)

顧客がどちらのニーズなのかを読み間違えると、顧客が離れる原因を作る可能性もあるため、注意が必要です。

顕在ニーズと潜在ニーズ

次に、顕在ニーズと潜在ニーズの違いを紹介します。

顕在ニーズ

顕在ニーズは、顧客が既に認識しているニーズです。カフェの心理的ニーズの事例でいえば、「ゆったりしたソファで自分の空間が確保できるカフェだったから」という理由にプラスして、(コーヒーが飲めればいいので、食事のメニューや美味しさは重視していない)という点も顧客が認識して選んでいる場合は、顕在ニーズといえます。

潜在ニーズ

潜在ニーズは、顧客も気がついていない奥底にあるニーズのことを指します。カフェの身体的ニーズの事例でいえば、選んだ理由は「回転率が良さそうで、かつ美味しそうなメニューがあるカフェだったから」ですが、奥底にはできるだけ美味しく食べたい、雰囲気のいいところで食べたいというニーズがあってそのお店を選んだかもしれません。

潜在ニーズを提案できると、「こんな商品・サービスが欲しかった!」という感動を生むことができ、一気に自社に対するロイヤルティを上げられるでしょう。

これは顧客が商品・サービスを選択していくうちに気がつくこともあるニーズでもあるため、先んじて訴求できれば「自分の心の内を理解してくれる企業(ブランド)だ」という感動が生まれ、顧客との強固な結びつきを育む可能性があります。これができれば、顧客の潜在ニーズを掘り起こして、成約に至らせることも可能です。

顕在ニーズはもちろん、潜在ニーズを正しく把握した施策が打てれば、成約率のアップだけでなく、新規顧客の取り込みやマーケティング効率の向上も可能です。

顧客ニーズを満たすために知っておきたい価値基準

では次に、顧客ニーズを満たすために知っておきたい、3段階の価値基準を紹介します。

1段階目:顧客が期待する価値

まずは、顧客が期待した通りのニーズを満たす段階が1段階目の価値です。これが満たせていないと、期待以下となり顧客が離れます。

しかし、満たせている場合でもこの1段階目の価値のみであれば、ブランド力の高い競合が参入してきた場合や競合が価格・機能で少し魅力的なものを出してきた場合には顧客離れを起こす可能性があります。

2段階目:顧客の願望として存在している価値

2段階目は、顧客の期待ではなく願望を叶える価値です。最低限ではなく、顧客が本当はこうなりたい、完全に悩みを解消したいと思っている部分まで到達する価値を提供できれば、顧客は商品・サービス、ひいては自社への価値を高く感じてくれます。

願望を叶えてくれたという経験があれば、会社や新しい商品・サービスへの信頼度も高くなる可能性があります。

3段階目:顧客が予想していない価値

3段階目は、顧客が予想もしていなかったものを叶える価値です。願望は頭に思い描いたことがあるものですが、3段階目は「まさかこんなことまで叶えてくれる商品・サービスだとは思っていなかった」という驚きがある点が2段階目とは異なります。

顧客を驚かせるほどの価値提供があれば、自分だけではなく他の人にも口コミ・SNSで共有をする可能性が高くなります。そうすれば「共有する→新規の方が初めて知る→商品・サービスを体験する→共有する」というサイクルが勝手に回り出し、自社が何もしなくても新規の顧客が増えていくという理想的な状態が作れます。

今は消費者のニーズ変化も激しく、商品・サービスもどんどんと進化しているため、3段階目までを常に実現するのは難しいことです。しかし、顧客ニーズを正確に把握し、商品・サービスへのフィードバックをしていけば、常に価値のブラッシュアップができるでしょう。

顧客ニーズを正確に把握する7つの手法

重要な顧客ニーズを読み違えず、正確に把握するための手法を紹介いたします。

顧客分析

既存顧客・見込み顧客など、既に自社が情報を持っている顧客層を分析して、ニーズを掴み、行動・購買パターンの分析、後に出てくる定性情報のヒアリング(インタビュー・LINEでのアンケート)などと合わせて分析することで、より深く顧客ニーズを知ることができます。

カスタマージャーニーマップ

自社が取り込みたい顧客層のペルソナを設定し、そのペルソナが取る行動や触れる媒体、考え方、行動パターンなどを書いてみることで、顧客ニーズをより深く推測することも可能です。

カスタマージャーニーマップを作ったら、施策を打ってその確度が高いかどうかを確認し、精度を上げていく活動も欠かせません。

自社ページへの流入分析

自社の商品・サービスのページに流入してきているキーワードや、よく見られているコンテンツなどを分析ツールを入れて知ることで、顧客ニーズを高い精度で分析することが可能です。

  • よく見られているけれどその後成約に至らない(その前後に理由が隠れていないか)
  • そもそも離脱率が高い(流入キーワードで検索している人の欲しがる情報がない)
  • 成約率が低い(申し込み方法が分かりづらい・動機形成をするコンテンツ不足)

上記のように顧客の行動や流入キーワードから、さまざまな分析が可能です。その分析が合っているかは、施策の内容を変えるなどして検証しましょう。すると、顧客ニーズの精度を高められます。

座談会(フォーカスグループ)

自社が取り込みたい層の顧客(あるいは近いペルソナ)に声をかけ、決定してあるトピックについて話してもらい、市場調査を行います。

自由に話をしてもらうことで、その方々の価値観、関心を持っているもの、成約決定のときの重視項目など、さまざまな情報に触れられます。

また、自社ブランドの認知度、商品・サービスの不満な点、競合で魅力に感じる商品・サービスとその理由などを聞くことで、顧客の深層にあるニーズ、成約のネックになりそうなこと、自社が狙うべき競合優位性が何かなども把握できます。

アンケート

顧客ニーズを正確に把握するためには、アンケートも有効です。なかでもLINEを用いた方法であれば、Cookie(閲覧したWebサイトからデバイスやブラウザ内に保存される情報のこと)に依存せず、顧客Aに紐付ける形で情報を蓄積できます。

これを活かせば、顧客Aが成約したきっかけ、競合商品・サービスを体験してまた自社の商品・サービスに戻ってきたか。戻ってきたきっかけとなった配信はなんだったかなども特定できます。

仮にまだ顧客でないユーザーが、LINE公式アカウントに友だち登録してくれた場合も同様にデータの蓄積ができるため、顧客になったら会員データにこれまで蓄積したデータをプラスして施策に活かし、適切なコミュニケーションを取ることもできます。

これまで以上の情報を貯めておけるため、正確に顧客ニーズを把握することにも役立つでしょう。

ソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングは、SNSや口コミサイトなどの発信内容を集めて分析し、ブランディングや施策内容の検討に役立てるマーケティング手法のことです。

自社やブランド、商品・サービスに関する意識調査、あるいはブランド認知調査などにも使えますが、SNS上の口コミ情報を集計するとどういう意見が多いかも確認できます。そのため、ユーザーの生の声をヒアリングすることで、顧客ニーズを正確に捕捉できる可能性が高いです。

消費者はレビューを参考にする傾向にあるため、SNSで実際どう言われているかは常に把握しておく必要があるでしょう。

総務省が平成28年度に公表したデータによると、消費者がレビューを参考にすると回答した割合は、20~40代は8割近く、50~60代でも6~7割はレビューを参考にしている(「かなり参考にする」「まあ参考にする」の合算値)です。

出典:IoT・ビッグデータ・AI~ネットワークとデータが創造する新たな価値(総務省)

施策実施・検証・顧客ニーズ調査のサイクルを回す

最後は調査の結果、施策を実施して検証してまた調査を行うというサイクルを回すことの重要性についてです。顧客ニーズが合っているかどうかを確認するには、ニーズを調査して行った施策で成果が出たかを確認するしかありません。

調査した結果、いくつか出てきたニーズのどれにどんな施策を行ったのかを確認し、そして次の顧客ニーズ調査に活かすようにしていけば、徐々に精度を上げていって深層にある顧客ニーズに近づけます。

顧客ニーズを調査する際の注意点

では最後に、顧客ニーズを調査する際の注意点を2つ紹介します。

知りたい対象・目的・内容を明確にする

顧客ニーズを調査する際には、対象と目的、内容を明確にする必要があります。何のために知りたいのか、知ってどうしたいのか、そのためにはどんな情報が必要なのかを認識したうえで、顧客ニーズを調査しましょう。

項目内容
対象となる商品・サービス・新商品・サービス
対象顧客・新規(or既存)
調査目的・新商品・サービスの開発に向け、競争優位性を作りたい
知りたいこと・競合はどこになるか
・競合を選んでいる人たちは何を理由に選んでいるのか
・何があれば乗り換えてくれるのか(価格(経済性)、合理性、安全性、レジャー性、趣味・嗜好性など)

何について何の目的があって知りたいのか、それを明確にするにはどういった観点で質問する必要があるのかを定めておかないと、膨大に取れるどうでもいいデータに振り回されて、本来知るべきデータや導き出すべき結論を見失ってしまう可能性もあります。

顧客ニーズ調査の結果を未来のために使う

現状を改善するために実施されることの多い顧客ニーズ調査ですが、今だけではなく未来のために活用することも非常に重要です。

今は順調、あるいは潜在顧客がまだ取り切れていないなどの場合は、顧客ニーズ調査をして施策を打つというサイクルを回していれば、一定期間売上を立てられる可能性があります。しかし、現在顧客ニーズの移り変わりは早くなっています。

顧客ニーズ調査を商品・サービスに活かすサイクルが作れていない場合、既存の商品・サービスが既に「期待する価値」しか返せなくなっていると気が付かないまま、成長が鈍化し始めるかもしれません。そこから対策をしても、既に競合の商品・サービスに顧客を取られてしまった後になる可能性があります。

顧客の願望にある価値や、顧客が予想していなかった新たな価値を顧客に返し、離れないユーザーとなっていただくためにも、顧客ニーズの調査を商品・サービスに反映していく必要があるでしょう。

そのためには運営本部だけではなく、各拠点・事業部にデータの結果を共有し、全社でニーズ変化を捕捉しておくことが重要です。顧客ニーズ調査によって、顧客ニーズを先取りできるような商品・サービス開発に活かす体制を整えておく必要があります。

まとめ

変化の激しい今の時代は顧客ニーズを調査し、深く理解したうえで施策を打つこと。そして、顧客も気づいていない潜在ニーズを読み取って解決する提案が求められます。

顧客と自社とのコミュニケーションツールをしっかり確立し、データを蓄積してさまざまな観点で顧客ニーズの調査ができる状態を整えていきましょう。

今はLINEなどのSNSを活用するユーザーが多いため、そこで接点を持ってデータ蓄積ができる仕組みを整えることが重要です。まだ取りかかれていない、どうやればいいかわからないという方は弊社にご相談ください。

この記事の著者

大里 紀雄Norio Osato

Micoworks株式会社

ビジネスマーケティング部 Director

大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。

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