Cコマースをビジネスで活用するには?

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Cコマース

MARKETING

個人情報保護法と電気通信事業法の改正によりポストCookie時代のマーケティングが模索されるなか、多くの企業はオンラインビジネスの変革を求められています。世界中で個人情報の取り扱い規制が強化されている現在、国内外で今、もっとも注目されているのがCコマースです。

企業はどのようにデータを取得し、活用し、ビジネスへ活用していくべきか。Cコマースの具体的な活用方法について事例とともに解説します。

Cコマースとは

Cコマースとは、カンバセーショナルコマース(Conversational Commerce/会話型コマース)の略称で、消費者がオンライン上でリアルタイムで会話をしながら、商品やサービス購入の意思決定を行う購買プロセスのことを言います。
ECのみに限らず、人材業界における求人紹介や不動産仲介時のやりとり、病院における健康診断など、現在は多方面での活用が進んでいます。

Cコマースでビジネスはプラスへ変化する

ビジネスにCコマースを取り入れることで、企業は消費者と自社に次のような体験とインパクトを与えることができます。

消費者体験の向上

スマホの普及率が90%近くに達し、現在では5人中4人の消費者がスマホで買い物をするようになりました。(※1) さらには消費者の83%が製品・サービスについて知るために、LINEやFacebook Messengerなどのメッセージングアプリで問い合わせ、そのうち75%が購入したという驚くべきデータもあります。(※2) 

※1 出典:総務省|令和4年版 情報通信白書|総論
※2 出典:LIVEPERSON「Consumer preferences for Conversational Commerce&AI」

Cコマースは、顧客体験を向上させる非常に有効な手段ですが、そのポイントとなるのは次の3点です。

●ヒューマンタッチなコミュニケーション

たとえば、店舗で買い物をしている最中に、「商品についてもっと詳しく知りたい」「もっと自分の希望にあった製品があるかもしれない」と店員さんに声を掛ける人も少なくはありません。初めはちょっとした質問だけだったのにどんどん話が盛り上がり、納得した状態で欲しい製品を購入。いつもより気持ちの良い買い物体験ができた。
オンライン上でこれに近い体験を提供できるのがCコマースの強みです。顧客一人ひとりに対し、メッセージングアプリ上で好みやニーズに合わせた回答ができることで、店頭での接客と同じように、丁寧できめ細やかなコミュニケーションを可能にします。その結果として、オンラインでの購買体験を向上させ、顧客満足度を高めることができるのです。

●メッセージアプリで完結するスムーズな購買体験

Instagramで紹介されていた製品が欲しい場合、通常、製品に添付されたURLまたはプロフィールのURLをクリックして、ECサイトへ遷移します。その後、予約や購入の手続きを済ませ、決済時は別のアプリやサイトへ誘導されるケースも珍しくはありません。この時、読み込みが遅かったり、手間がかかったりするなど、購入フローが複雑だと購買意欲を下げてしまうことも考えられますが、Cコマースはメッセージングアプリ上で全てのフローが簡潔できる、シームレスな体験を提供できます。

今までは、質問の内容が解決するまで顧客がチャネルを変えて連絡する必要がありましたが、メッセージングアプリのみで全てが完結することで、繰り返し何度も同じ内容を伝える必要がないため、ストレスを感じさせることもありません。

●自分に合った情報のみが手元に届く

顧客との直接的な会話を通して好みやニーズを把握できるようになるため、企業は顧客理解を深め、一人ひとりに合わせた情報を発信できるようになります。そうすることで興味を惹きやすくなり、アクションが起こしやすい流れを作ることができるのです。

企業におけるビジネス活動の変化

ライフスタイルや価値観の多様化により、従来のマーケティング戦略が通用しないシーンも増えてきました。消費者に選ばれ、売り上げにつなげていくためには、消費者に寄り添いながら、適切なアプローチが実行できるような仕組みをつくるなど、企業も変化していかねばなりません。メッセージングアプリ上の会話で消費者への理解を深め、インサイトデータを取得・共有し、1to1マーケティングを実現させれば、ビジネスを大きく成長させることができるでしょう。

●事業・カスタマージャーニーを横断したデータの活用ができる

会話を通して取得したさまざまな顧客情報を取りまとめ、インサイドセールス、フィールドセールス、マーケティング、カスタマーサクセスなど組織内で共有することで、カスタマージャーニーを横断した活用ができます。データをもとに顧客の潜在的なニーズや休眠顧客の掘り起こし、顧客の課題を理解することができるため、それぞれの部門で認識をすり合わせ、最適な施策を打つことができます。

●ゼロパーティデータの活用でレコメンド精度が上がる

メッセージングアプリでの対話を通して、顧客自ら興味・関心、趣味嗜好を伝えてくれるため、属性情報から購入意欲に至るまで多くの情報を自然な流れで取得し、顧客に最適なレコメンド配信ができるようになります。レコメンドの精度が上がることで、顧客の興味・関心を高め、予約や購入といったアクションへと促します。


具体的にビジネスでどのような活用ができるか

コマース

検討段階から購入までを企業側がチャットで顧客を丁寧にサポートし、顧客はメッセージングアプリのみで問い合わせから予約・購入まで簡潔できるのがCコマースの特徴です。複数の販売チャネルを持ち、管理するのは手間や人手もかかりますが、アプリで全て完結できれば管理にかかるコストも手間も削減できます。

企業は顧客とチャットでコミュニケーションを取りながらあらゆる角度で課題やニーズを引き出し、オンライン上で最適な商品の提案や接客を提供できますし、見込客に対しても、会話を通して潜在的なニーズやどのようなステータスかを引き出すことも可能です。

カスタマーサポート

顧客との接点がもっとも多いカスタマーサポート。競合他社との差別化をはかるには、多様化するニーズや価値観を理解し、顧客に合わせた迅速かつきめ細やかな対応が重要です。

チャットであれば、電話のように相手のタイミングを気にすることもなく、問い合わせフォームやメールのように「面倒臭い」と思われることもありません。顧客は思い立った時に自分の都合で問い合わせができ、企業側もリアルタイムで質問への回答ができることで、機会損失を防止することもできます。また、1on1コミュニケーションによって顧客満足度を向上させ、顧客とのつながりをより強固なものへと変えていくことができます。

とくにSNSを使いこなしている若年層は、リアルタイムでのコミュニケーションに慣れているため、効率性や即時性を重視する傾向にあります。Cコマースはサービスの問い合わせから予約までがスムーズにできますし、手軽かつ素早く課題を解決する手段として今後もニーズは拡大していくでしょう。

マーケティング

日常的にスマホを使い、LINEやFacebook Messenger、InstagramなどのSNSで連絡を取り合うことが一般的になってきました。「チャットで会話する」コミュニケーションが浸透したこと、メールや電話より抵抗感がないことで、家族や友人と同じように、メッセージングアプリで企業にも気軽に話を投げかけてもらえるも大きなポイントです。

そのため、LINEのアカウントを登録してさえもらえれば、未顧客のニーズや疑問点などをヒアリングして、配信するメッセージを最適化していくことができますし、継続的に接点を持ちながら、フェーズごとに適切なアプローチを取ることで顧客へと育てることができます。


Cコマースの活用事例

【人材業界】株式会社ナースステージ「ナースネクストキャリア」

ナースステージ様は、看護用品の通販マガジン「アンファミエ」「ナースリー」の通販事業に加え、2017年より開始した看護師のための転職支援サービス「ナースキャリア」を新規事業として展開しました。事業の立ち上げから6年、登録した看護師さんとのコミュニケーションを電話やメールで行っていたところ、2020年ごろからLINEの活用を始め、多くの集客を実現しています。

課題:
会員登録後、キャリアアドバイザーに担当を振り分け、その後に顧客一人ひとりに合わせた1to1の提案ができる仕様が欲しかった。

主な活用方法:
登録者に対し、個別にアプローチをとること、キャリアアドバイザーと求職者が1to1コミュニケーションをとり、希望に即した最適な転職先を提案する際に活用。

成果:
お客様一人ひとりに寄り添ったメッセージを送ることが可能に。お客様の転職検討フェーズを理解したうえで最適なタイミングで提案ができるようになった。LINEはメールよりレスポンスが速く、メールと比較すると、同じ施策であってもクリック率が高くなっている。



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【百貨店】阪急阪神百貨店パーソナルスタイリングサービス

阪急うめだ本店にて、お客さま一人ひとりに合ったコーディネートを提案し、お買い物を楽しんでいただく「パーソナルスタイリングサービス」を提供されている阪急阪神百貨店様。お客様に継続してご利用いただき、楽しく気持ちの良いお買い時間を過ごしていただくために、お客様のお気持ちや好みを考慮した、繊細かつ丁寧な接客を心がけてらっしゃいます。

お店にいらっしゃらない間もお客様とつながりを大事にしたい、より最適な提案を行いたいとの思いでCコマースを導入されました。

課題:
ハガキや電話でやりとりをされていましたが、イメージを汲み取りきれないことも多く、お客様が求めるイメージが確実に落とし込めないこと、やりとりに時間と手間がかかることに課題を抱えていた。

主な活用方法:
予約以降のやりとりやフェアの案内、お客様が好みの商品が入荷した際の連絡に活用。また、遠方にお住まいのお客様ともLINEでやりとりし、そのままご購入いただくケースも。

成果:
もともとお客様からの要望も多かったLINEを導入したことで、お客様からも積極的にメッセージをいただけるようになり、密なコミュニケーションが実現。お客様との信頼関係が強固なものとなり、顧客満足度が向上。



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Cコマースによる“つながり”が、ビジネスの成長を押し上げる

Cコマースは、顧客との自然な会話のなかで貴重な情報やデータを得る機会を提供してくれます。そこから取得したデータをもとに、コンテンツを制作したり、広告に落とし込んだり、直接的な売り上げ以外にも多くの活用ができるのです。
顧客の購買行動を後押しする以外にも、大いなる可能性を秘めたCコマースは、AIや他のツールとの掛け合わせでさらなる進化を遂げていくことが期待されます。単純な数値ではなく、多くの資産を企業にもたらしてくれるCコマースは、ビジネスの成長に欠かせない方法のひとつになっていくのではないでしょうか。

この記事の著者

大里 紀雄Norio Osato

Micoworks株式会社

ビジネスマーケティング部 Director

大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。

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