無料の予約システムのメリット・デメリットとは?成果を出すポイントも解説します

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企業が提供するサービスの中でお客さまが一般消費者の事業形態の場合、お客さまからの質問や要望は多岐にわたり、対応には一定のヒューマンリソースが必要です。

例えば、予約や予約内容の変更に対して電話やメール、チャットシステムでの対応に追われ、場合によっては無断キャンセルされてしまうこともあります。

このような状況が日常的なため、事務作業が多く発生してしまい、企業の担当の方は規模が大きくなればなるほど、作業の効率化を考えなければいけないのではないでしょうか。

 

予約管理のコストを抑えるために、Excelやスプレッドシートなどの無料ツールを利用する場合もありますが、管理方法が属人化したり、ファイルを紛失したりといったトラブルが起こりがちです。

また、リアルタイムに情報を更新できないなど、企業規模が大きくなり、お客さまからの連絡ボリュームが増えてしまうと対応することが困難になります。

 

予約管理の属人化を解消し、業務効率化を行う際に検討すべきなのが、予約に特化したツールの「予約システム」です。

予約システムには高機能な有料版もあれば、機能が限られているものの無償で利用できる無料版もあります。

今回は、現在Excelやスプレッドシートなどで予約管理を行っていて、予約システムを検討されている方向けに「無料の予約システムでどのような機能が使えるのか」「どうすれば無料版のツールで成果を出せるのか」などを解説していきましょう。

予約システムとは?

予約システムとは、予約の受付や変更などをオンライン上でできるようにしたツールのことです。

従来のように紙やExcelを使って手作業で管理する必要がありません。

そのため、予約を管理するための工数削減ができます。

予約システムといえば、美容室や旅行の予約で実際に使用した経験がある方も多いのではないでしょうか。

BtoC事業では、旅行や美容をはじめ、飲食や医療サービスなどで予約システムが多く導入されています。

日付と時間を選ぶだけで簡単に予約できることから、ユーザーの利便性を向上することも可能です。

総務省が調べたデータでは、予約システムのようなオンラインサービスを導入した企業のうち、81.1%が「非常に効果があった」または「ある程度効果があった」と回答しています。

引用元:総務省「令和3年版 情報通信白書(企業におけるIoT・AI等のシステム・サービスの導入・利用状況)」

導入した企業の多くが、何かしらの効果を実感している一方で、オンラインシステムやサービスを導入している企業はわずか12.4%に過ぎません。

引用元:総務省「令和3年版 情報通信白書(企業におけるIoT・AI等のシステム・サービスの導入・利用状況)」

日々の業務に課題を感じてはいても、実際に導入している企業は一握りしかいないことがわかります。

予約システムの一例としては、クラウドサーバー上でベンダーが提供しているソフトウェアを利用する「SaaS」を活用することがあげられます。

専用の予約システムを開発するよりも安価で利用できる上に、無料トライアル版を提供している場合もあるので、お試しで導入して使用感を確かめることも可能です。

予約システムでできること・できないこと

予約システムを導入すると、予約周りのオペレーションがすべてスムーズに行えるようになるわけではありません。

特に店舗での接客がメインの業種であれば、電話のコミュニケーションがなくなったことにより温度感がわからない等、予約システムの導入によるデメリットもでてきます。

まずは予約システムのできること・できないことを知っておきましょう。

できること1:予約管理

予約システムを導入すると、いつ誰が予約をしたのかがひと目でわかるようになります。

予約システムの特徴は、自動的に予約管理が行われるので、最新情報をすぐに確認できることです。

Excelでの管理では、最新ファイルを探す手間がかかり、さらには複数人での同時編集ができません。

予約を1つ記入するために余計な手間がかかったり、待ち時間が発生したりします。

そのようなことが予約システムでは起こらないため、無駄な手間を極力省きながら予約管理を行えるようになるでしょう。

できること2:予約枠設定

美容クリニックなど担当スタッフを指名して予約したい場合は、スタッフごとに空き枠を確認しなければいけません。

手作業で予約を取るとなると、スタッフの空き枠とユーザーの希望時間をうまくマッチさせる必要があるため、電話やメールのやりとりでは予約対応にかなりの時間がかかります。

しかし予約システムを使用すれば、ユーザーがスタッフの空き枠を確認できるようになるため、都合のよい日程を選んで予約を取れるのです。

ユーザーが自ら空き枠を見つけて予約するため、これまでスタッフが行なっていた予約受付がほぼ自動化されるといっても過言ではありません。

また、ユーザーが予約変更を行なった場合は、自動で予約枠が変更されます。紙やExcel管理では予約受付から変更までの対応がすべて手作業となるため、作業工数を削減できません。

予約管理に関する工数がすべて自動的に行なわれるようになることが、予約システムの大きな特徴です。

できること3:メール送信

予約システムを使用すれば、予約日が近づいてきたタイミングでリマインドのメールを自動で送信できます。

そのため、ユーザーがうっかり予約を忘れてしまう心配がありません。

紙やExcel管理の場合は、自動でメール送信する機能がないため、すべて手動での対応となります。

予約日を目視で確認してメールを送ったり、電話をしたりする必要があるので、かなりの時間を費やしてしまうはずです。

予約システムを導入すると、このような手間がかかりません。

リマインドメールだけでなく、予約完了メールや変更完了メールなども自動で送信されます。

メールが届くことで、ユーザーも「予約ができている」「変更がきちんと反映されている」と確認できるため、安心感を得られるでしょう。

できないこと1:顧客へのヒアリング

予約システムでは、予約の受付や変更などの対応を概ね自動で行えますが、顧客へのヒアリングはできません。

電話での予約受付は一見すると面倒に見えますが、予約時にユーザーと会話ができるので、同時に簡単なヒアリングも行えるのです。

「何かご希望のメニューはありますか?」「お悩みのことはありますか?」など事前に聞いたことをメモして残しておけば、当日の接客で活かすことができます。

予約システムを利用するとこのようなユーザーとのコミュニケーションがなくなるため、予約という行為が温かみのない機械的な作業になってしまう可能性があるでしょう。

できないこと2:集客

予約システムは、あくまでも予約の受付や変更などを行うためのツールです。

予約システムを導入するだけでは、集客ができるわけではありません。

メールや電話よりも予約のハードルが下がり、24時間365日受付可能になることで予約数がこれまでより増える可能性はありますが、導入するだけで集客数が爆発的に伸びるものではないので注意しましょう。

ただし、予約システムの導入により集客に割く時間を増やすことはできます。これまで紙やExcelで管理していたところに予約システムを導入すれば、管理コストを下げられるため、手が空いたスタッフを集客対応に回すことができるのです。

手が足りずに取りこぼしていた予約もしっかりキャッチできるようになることから、予約件数も増やせるようになります。

できないこと3:ユーザーとの直接的なコミュニケーション

予約システムで予約受付した場合、ユーザーとコミュニケーションを直接取れません。

簡単に予約が取れる一方で、簡単にキャンセルもされてしまう恐れがあります。

「予約システムのみで完結させる方が良いのか」「オペレーション内で直接コミュニケーションが取れるようなフローにするのか」は、検討が必要です。

例えば店舗接客ビジネスの場合、予約受付後に担当者から電話確認することで、ユーザーへのヒアリングができます。

さらに、予約対応のフローとして前日に予約確認の電話を入れることで予約忘れを防いだり、キャンセル時にもリスケしやすくなったりします。

下図の調査結果をみると、予約忘れと事情によるキャンセルへの対応をきちんと実施することで、約7割以上のキャンセルを防ぐことができます。

引用元:『予約キャンセル』はなぜ起こる?イマドキの予約キャンセル事情の調査レポート

また、せっかく予約システムを導入しても、入力フォーム最適化(EFO)が行われていなければ、ユーザーは簡単に離脱してしまいます。

例えば、入力項目が多い、細かく半角や全角の指定がある、住所の自動入力ができないなどがあると、入力途中で離脱されてしまう可能性があるでしょう。

下図は弊社のあるお問い合わせフォームの数値ですが、177人が入力操作を始めたのに対し、フォーム送信まで至ったのは153名で、約14%は途中で離脱していることがわかります。

予約システムのメリット・デメリット

予約システムの導入には、メリットだけでなくデメリットもあります。

導入する際はデメリットまでしっかり考慮したうえで取り入れましょう。

メリット1:予約受付作業の効率化

予約システムを導入する最大のメリットは、業務が効率化できることです。

入力や電話対応などに割く時間を極力減らせるため、人件費の削減にもつながります。

例えば、全体で予約を月に1,000件受け付けているとしましょう。一定のヒアリングが必要な業種の店舗ビジネスで、予約1件あたりにかかる時間が電話10分+入力5分だとすると、月に250時間も予約業務に時間を使っていることになります。

予約システムを導入すると、電話や入力の作業時間を削減できることから、これまで予約業務に使っていた250時間をほかの業務に当てることが可能です。

そのまま人件費をカットしてしまってもよいでしょう。

メリット2:予約の取りこぼしを防ぐ

予約システムでは、24時間いつでも予約を受け付けられます。

ユーザーの好きなタイミングで予約を取れるため、「電話の受付時間が終わっていて予約が取れなかった」「話し中で電話がつながらなかった」という理由での取りこぼしを防ぐことができます。

紙やExcelを使って予約管理を行う場合は、営業時間内にしか予約を取れません。

通勤時間などのスキマ時間を使って予約するユーザーも多いため、24時間いつでも予約を取れることは企業にとって大きなメリットとなります。

メリット3:人的ミスを防ぐ

紙やExcelを使って予約管理を行っている以上、人的ミスが起きてしまう可能性があります。

海外で行われたある研究によると、慣れたスタッフであっても単純な入力ミスは0.1%の確率で発生しているそうです。

経験が浅い方になると、入力ミスの発生率は1.6%になります。

たかが1.6%と見るか、されど1.6%と見るかは人によるかもしれません。

月に1,000件予約を取っているのなら、16件でミスが起きているのと同じです。

こう考えると、かなりの数字ではないでしょうか。

予約システムを導入すれば、人的ミスを防ぐことができます。

参照:https://www.aomori-u.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2019/12/総研紀要Vol.15No11-5March-2014.pdf

デメリット1:料金コストが発生

予約システムを利用するにあたって、一定のランニングコストがかかります。

利用できる機能やプランにもよりますが、SaaSの予約システムを利用する場合は、月額10,000円~50,000円ほどが相場です。

予約システムの利用コストから費用対効果を比較し、導入を検討する必要があります。

もしすでにLINE公式アカウントなど、利用しているツールがあるのなら、そちらを活用したほうが導入費用とランニングコストが安く済むケースもあるので検討してみてもよいでしょう。

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デメリット2:インターネットに慣れていない顧客層を逃してしまう

パソコンやスマートフォンを使い慣れているユーザーにとっては、予約システムはいつでも予約が取れるのでとても便利です。

一方で、インターネットを日頃から利用しないユーザーにとっては、使いづらいモノと感じるかもしれません。

「入力方法がわからない」「そもそも予約ページにたどり着けない」などの理由からユーザーが離脱してしまう可能性があります。

とくに年齢層が高いユーザーは、スマートフォンを持っていない可能性もあり、持っていたとしてもLINEや電話しか使用しないユーザーも少なくありません。

ターゲットとしているユーザーの年齢層によっては、予約システムの導入1本にしぼるのはリスクが高いといえます。

予約システムのみに頼らず、電話での予約も並行するなどの対策が必要な場合もあるでしょう。

デメリット3:システムを取り扱う担当者が必要

予約システムを導入し、社内で運用していくためには、まず担当者が操作方法を覚えなければいけません。

また、ベンダーとやり取りを行う担当者を置く必要もあります。

とくに導入初期は、エラーが起きたり、操作方法がわからなかったりすることもあるため、システム管理の工数がかかるものです。

システムの取り扱いになれている担当者がおらず、予約システムの導入に不安がある方は、現在使っているシステムやツールに予約機能を追加したほうがスムーズに運用できる場合もあるでしょう。 

無料で使える予約システムの特徴

予約システムを探してみると、無料で使用できるものも多く見つかります。

ただし、永続的に無料で利用できるシステムは少なく、初月のみ無料であるケースが多いでしょう。

また無料では、使用できるサービスや機能に制限がある場合もあります。

例えば、「予約は月に◯件までしか取れない」「同時に複数人でログインできない」「顧客管理機能が使えない」などです。

無料の予約システムでは最低限の予約機能しか使えないため、複数店舗で活用するには機能が不十分だと感じることが多いでしょう。

コストを抑えるために無料プランを選ぶのではなく、機能を拡充するために後から課金する可能性もあると考えて自社に合う予約システムを選ぶことが大切です。

予約システムを選ぶ際、次のポイントを確認しておくと失敗しにくいでしょう。

  • どのような目的があって予約システムを導入しようと考えているのか
  • 具体的にどのような機能が必要なのか
  • すでに使用しているサービスに予約機能はつけられないのか
  • これから導入予定のサービスに予約機能はつけられないのか

予約システムを導入する目的と、必要とする機能はしっかりチェックしておくことが大切です。

無料トライアルがあるものも多いので、まずはいろいろと試してみて合うものを見つけるのもよいでしょう。

無料の予約システムで成果を出すポイント

有料の予約システムにはさまざまな機能があるため、無料のものより優れていることがほとんどです。

しかし、無料だからといってまったく成果を出せないわけではありません。

ポイント1:何のために導入するかをはっきりさせる

まず大事なのは、予約システムを導入する目的を明確にすることです。

目的がぼやけていると、いざシステムを導入しても効果を実感できません。

導入前と導入後で何がどう変わったのかを数字で説明できるようにしなければ、「なぜ予約システムを導入したの?意味はあったの?」と周りから突っ込まれてしまう可能性があります。

例えば、紙やExcelでの予約管理の工数を減らしたいのなら、現状でどれだけの工数がかかっているのかをしっかり記録しておきましょう。

導入前後の数値を比較することができ、導入効果をしっかりと見える化できます。

ポイント2:PDCAが回る体制を作る

予約システムを導入するだけで、PDCAサイクルが回るようにはならないので注意しましょう。

前もって社内でPDCAサイクルが回るような体制を作っておくことが大切です。

計画を立てて実行し、実行した内容を検証して改善するというサイクルにうまく予約システムの導入を組み込み、問題点の解決ができるようにしておきましょう。

例えば、予約数を増やしたい場合は導入前の予約数と、導入後の予約数、また予約フォームの離脱率なども記録しておくようにします。

店舗接客ビジネスの場合、立地によって予約数が左右されるので体制の改善が難しいこともありますが、予約からの来店率については、店舗ごとの工夫によって差がつくことも多いです。

歩留まりが一番良い店舗のオペレーションを全社に横展開することで、会社全体として来店数を上げることができます。

ポイント3:普段お客さまとコミュニケーションをとっている媒体を活用する

予約システムを導入しても、使いづらさを感じて電話での予約を希望するユーザーも出てくる可能性があります。

無理に予約システムの使用を勧めずに、Webサイト上のチャットボットやLINE公式アカウント、InstagramのDMなどユーザーが利用しやすい媒体をうまく活用してみてください。

ユーザーが使い慣れている媒体で予約を取れるようにすることが「予約獲得」につながりやすいこともあります。

すでに使用している媒体があれば、新たな予約システムのマニュアルを覚えてもらう必要もありません。

社内の問題点を明確にし、解決できる方法を活用しましょう。

そのためには、まずPDCAサイクルを回せるリソースを確保することが大切です。

まとめ

予約システムを導入すれば、紙やExcelで管理していたときと比べて時間に余裕ができます。予約前日に自動でリマインドメールを送ったり、スタッフごとに予約枠を設けたりすることも可能です。

しかし、予約と同時に顧客へヒアリングしたり、集客を行ったりできません。予約システムでできることは限られているので、システムの導入によりどのような成果を達成したいのかを今一度しっかり確認しましょう。

成果を出すためには導入目的を明確にし、PDCAサイクルを回していける体制を社内で整えておくことが大切です。

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この記事の著者

大里 紀雄Norio Osato

Micoworks株式会社

ビジネスマーケティング部 Director

大手Web制作会社にてチーフデータアナリストとして、DMPの構築および活用支援、広告運用の業務に従事。マルケトではシニアビジネスコンサルタントとして業種業界を問わず、大手企業から中小企業まで、MAツールの導入や戦略構築支援を行う。 その後、複数の事業会社で大規模カンファレンスの企画運営や、オウンドメディアの構築などのマネジメント、アジアパシフィック地域のマーケティング戦略立案や広報活動など幅広い業務を経験し、現在に至る。

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